2018 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of functional supramolecular materials with reversible or movable supramolecules as crosslinking points
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18H02035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高島 義徳 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40379277)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超分子材料 / 可逆性架橋 / 可動性架橋 / ホスト-ゲスト相互作用 / 光刺激応答性 / アクチュエータ / 酸化還元応答性 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体組織体は非共有結合にて、機能性高分子を構築している。人工系にて可逆的・可動性を持った超分子を材料に用いれば、従来の高分子材料にはない材料を構築できると考えた本研究課題を立ち上げた。超分子の持つ結合様式に、①分子認識に基づいた可逆的な結合による架橋と②輪分子と軸分子を組み合わせた可動式架橋がある。本申請課題は、共有結合性高分子と可逆・可動性超分子の融合により、革新的超分子材料の設計と機能発現を系統的にまとめ、学理構築を目的に研究推進する。 【挿し違い超分子錯体([c2]Daisy chain)を組み込んだ光刺激応答性アクチュエータと力学特性の評価】 申請者は挿し違い型CD dimerが外部刺激に応じて、伸縮する機能を利用して超分子アクチュエータの作製に成功した(J. Am. Chem. Soc. 2018)。高分子鎖間の架橋に挿し違い型CD dimerを利用した材料は新たな刺激応答性トポロジカル超分子材料になった。高分子の主鎖には、4分岐ポリエチレングリコールを用い、三次元等方的に伸縮する材料であり、ゲルの体積変化挙動は従来の高分子材料には無かった機構であった。 【シクロデキストリンとビオロゲン誘導体の包接錯体を利用した高分子材料の力学物性】本研究では、ゲスト分子にメチルビオロゲン (C1V) が修飾された長鎖アルキル基(C1VC11)を選択した。CD と C1VC11 との包接錯体を架橋点として超分子ゲルを作製した。CD はアルキル鎖上をスライド運動するが、ジカチオンであるは親水性であるため通り抜ける際にエネルギー障壁になった。このようなエネルギー障壁に注目し、高分子側鎖一分子に修飾されたビオロゲンの数や側鎖の分子鎖長、ビオロゲンの電荷状態に応じた材料物性の変化を調べた。CD の空孔サイズの大小や C1V の有無・電荷といった化学構造を変えて材料物性を比較し、それらの構造と力学物性との相関を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、概ね順調に進んでおり、可逆性架橋材料については、その力学特性を評価することで、会合定数とゲスト分子の構造との関係の解明に努めた。また可動性架橋材料については、挿し違い構造分子に加えて、可動性架橋超分子を用いることで、超分子材料に光刺激応答性と高靭性を付与することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画の推進に関しても、当初の申請書計画通りに進めるとともに、H30年度に見られた成果をさらに発展させる方向で研究を推進する。
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Research Products
(12 results)