2019 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of functional supramolecular materials with reversible or movable supramolecules as crosslinking points
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18H02035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高島 義徳 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40379277)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 可逆性架橋材料 / 可動性架橋材料 / 光刺激応答性 / 自己修復性 / 高靭性 / 分子接着技術 / 応力分散性 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究実績の概要】 高分子材料の機能設計において、架橋構造の選択に応じて大きく機能変換することができる。本研究課題では超分子特有の可逆的な結合と機械的架橋分子として振舞う挿し違い二量体に注目し、これまでの高分子材料に見られなかった新たな機能性高分子材料を創製した。高分子材料に可逆的結合を導入し、分子認識を通した材料間の選択的接着、自己修復性材料・接着剤、高靭性材料、刺激応答性アクチュエータの作製を本研究課題の目標とした。 【乾燥状態で機能する自己修復性超分子材料の作製】これまでに作製した自己修復性材料はヒドロゲルなどの溶媒を含んでいた。本研究課題では、無溶媒で機能する自己修復性材料を作製した。アクリレート系材料を主材として、切断面選択的な接着性や傷修復性を確認した(Macromolecules 2019, 52(7), 2659-2668.)得られた自己修復材料は粉砕することで再び成型することも可能であり、リサイクル性もあることを確認した。 【可動性架橋材料の機能評価と発現機構の解明】可動性架橋形式を持つ材料の力学特性を評価した。特にアクリレート系材料にて、簡便に可動性架橋を形成する合成手法を確立し、可動性架橋特有の力学特性を見出すことに成功した(Macromolecules 2019,52(18),6953-6962.) 【自己修復性超分子材料を用いたイオン伝導性材料の開発】上記の可逆性架橋自己修復材料にイオン性液体を吸着させ、イオン伝導性を持たせた。同じ弾性率でありながら、化学架橋材料では、イオン伝導性が低いのに対して、可逆性架橋自己修復材料では、高いイオン伝導性を示した。(Macromolecules 2019, 52, 2932-2938.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、3項目のそれぞれの材料開発も進展しており、基盤となる重要な論文も発表することができ、着実に研究を進展させることができた。2019年度の発見を持って、2020年度の研究推進に繋がる成果を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の成果に従って、2020年度はさらに分子認識を通した材料間の選択的接着、自己修復性材料・接着剤、高靭性材料、刺激応答性アクチュエータの開発をさらに発展させていく。特に最終年度にあたり、「可逆性・可動性架橋材料の機能評価と発現機構の解明」をより進め、新たな高分子材料の発展につなげる。
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Research Products
(40 results)