2020 Fiscal Year Annual Research Report
高分子/水界面の動的構造制御とバイオイナート材料への展開
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18H02037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松野 寿生 九州大学, 工学研究院, 准教授 (50376696)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 界面 / 分子鎖凝集状態 / 水 / 動的構造 / バイオイナート |
Outline of Annual Research Achievements |
持続可能な社会の実現に向けて、健康維持や医療に資するバイオメディカルデバイスの需要が益々高まっており、水環境下における使用に好適な高分子材料の開発が要求されている。本年度は、水溶性開始剤を用いたリビングカチオン開環重合に基づき、ボトルブラシ型ホモポリマー(P[O(Ox)nMA]) (n = 7, 19)を合成した。汎用性材料であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)に、表面修飾剤として(P[O(Ox)nMA])を添加したPMMA/P[O(Ox)nMA]混合膜を作製した。混合膜の表面および水界面における凝集状態を、原子間力顕微鏡観察、静的接触角測定、角度分解X線光電子分光(AD-XPS)測定、準大気圧XPS測定、および、中性子反射率測定に基づき評価した。水環境下において、P[O(Ox)nMA]成分は薄膜最外領域に偏析すること、また、形成される水界面は、オキサゾリンユニットが短いほど、より厚くなることを見出した。また、この界面厚の差異に依存して血小板粘着抑制能が変わることを明らかにした。 さらには、水界面の厚み制御法として、PMMAおよびP[O(Ox)nMA]から構成されるブロック共重合体(PMMA-b-P[O(Ox)nMA])を、原子移動ラジカル重合およびリビングカチオン開環重合に基づき合成し、PMMA-b-P[O(Ox)nMA]薄膜の湿潤下における熱処理について検討した。一般的な真空下で熱処理を施した場合、PMMAが最外領域に偏析するのに対し、水蒸気下で熱処理を施した場合、P[O(Ox)nMA]が偏析すること、また、熱処理後に水中浸漬する方法と比較して、その界面厚は増加することを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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