2019 Fiscal Year Annual Research Report
異種界面規制に基づく光配向構造制御ならびに機能発現応答材料の創出
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18H02039
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
川月 喜弘 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (60271201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 瑞穂 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (70447564)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高分子液晶 / 光配向 / 複屈折フィルム / 偏光光反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では異なる特性を有する分子間での水素結合やハロゲン結合などの非共有結合、ならびに複数の界面での縮合反応などにより高分子フィルムに光反応性部を選択的に導入し、異種界面を起点にした光配向制御、および外部刺激による可逆的な再結合(分解)、さらに光渦を利用した光反応の位相制御により立体構造的に光分子配向される機能性発現を制御可能な材料を創成する。 2019年度は、メタルマスクを用いた低分子成分を高分子フィルムへ昇華によるパターン化や、インクジェットによる異種界面からの低分子化合物を選択的に描画し、その後熱的な縮合や水素結合形成により、非光反応性フィルムへのその場での光反応性メソゲン形成を実現し、その高分子液晶フィルムの直線偏光と熱的自己組織化に基づく光配向制御による微細配向パターンの形成と機能化とマルチ配向パターンの形成に成功した。さらに空気界面からの配向制御に関して、相互作用と界面制御により光分子配向性を示す共重合体類を系統的に合成し、それぞれの偏光による光配向挙動と表面配向性を統合的に精査した。例えばシッフ塩基を光反応する光配向生高分子液晶フイルムにおいて、一旦光配向後に、塩基の熱加水分解によりアルデヒド末端を形成することでの、光配向フィルムの光安定性を実現した。また、シッフ塩基の再形成をインクジェットにて行うことで、マルチ配向パターンを形成した。さらに、異なるアミンを導入することによりさらなる機能化がはかれることの手がかりを得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は前年度の成果をもとに、、側鎖にBA、PAやハロゲン置換フェニル基を有する種々の共重合体(BPおよびRP)、それらと相互作用することで光配向性となる機能を付与できうる低分子、機能性色素などを合成し、偏光;光渦を用いた配向挙動;形状変化;可逆性等を精査し、異種界面からの光配向制御の新しい手法の基本概念を確立できた。 しかしながら、光渦による光配向形成に関しては、当初の目論見通りの成果が得られず、ユニークな光挙動が計測されるものの、その挙動の再現性に乏しく、今後さらなる検証が必要になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は昨年度までの成果をもとに、選択的に制御された異種界面規制を起点にして3次元的に傾斜した光配向(分子配向性)を制御するとともに、光反応部の外部刺激による脱着により制御できる光電子機能材料を創出する。特に側鎖に安息香酸BA 基、フェニルアルデヒドPA 基などの低分子と相互作用(反応)可能な側鎖を有する種々の高分子、それらとアルキル側鎖や 非反応性液晶性メソゲンを有するブロックこポリマーを合成し、それらのフィルム上に光応答性付与のための桂皮酸類、フェニルアミン類ならびに末端ピリジン基を有する機能性色素類を種々の厚さで複層化し選択的な異種界面形成による光配向性制御と機能色素配向脱着制御を行う。また、反応基の脱着や、異種材料の再結合などによる分子配向による複屈折率の制御や発酵制御などへの新規機能性の付与にチャレンジする。 光渦に関する研究は引き続き実施するが、光渦自体の生成部分をより正確に行う必要性がわかってきたので、その部分に関しての再現性に注力する。
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Research Products
(24 results)