2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of artificial photosynthesis system driven by interfacial photo-excitation process
Project/Area Number |
18H02055
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮内 雅浩 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (60443230)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光触媒 / 半導体 / 可視光 / 界面電荷移動 / 人工光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの知見を元に可視光型光触媒を開発すべく、2価の酸化銅ナノクラスターを担持した二酸化チタン(Cu(II)/TiO2)の電極を合成した。Cu(II)クラスターの担持量、TiO2の結晶性、Cu(II)/TiO2の膜厚などの因子を、高い光触媒活性が発現するように最適化した。その結果、Cu(II)/TiO2を光カソードとして可視光を照射することで水素が生成し、対極からは酸素生成も確認できた。すなわち、界面電荷移動遷移(IFCT)の原理に基づき、可視光の照射によって水を水素と酸素まで完全分解することができた。放射光を用いたX線吸収分光によってCu(II)クラスターの構造を分析し、その構造は5配位のピラミッド構造であることを確認した。また、Cu(II)/TiO2電極の水素生成反応のアクションスペクトルを評価した結果、吸収スペクトルと同様のプロファイル、すなわち、波長400 nm以上のIFCTによる可視光遷移によって水素が生成していることがわかった。95時間の光照射でターンオーバー数が1を超え、その時間を超えても水素生成性能が劣化していないことから、自己分解ではなく触媒的に反応が進行していることが示唆された。当初計画では、Cu(II)/TiO2をカソード、Cr2O3/SrTiO3をアノードとする研究予定を立てていたが、TiO2に光励起した正孔は強い酸化力を持つため、Cu(II)/TiO2のみでも可視光による水分解を達成できた。本研究成果は、IFCTの原理を用いた水の全分解の初めての報告で、成果はドイツ科学誌のSmallに採択された。本研究では、金属酸化物半導体の一例としてTiO2、クラスターの一例としてCu(II)を用い、IFCTの原理が人工光合成反応の応用に有用であることを実証した。今後、本研究成果を基に、様々な半導体とクラスターの組み合わせに発展することが期待できる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)