2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of functional photosensitizing peptide for photocontrol of biofunctions
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18H02090
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大槻 高史 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (80321735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 弘晃 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (50284089)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光増感剤 / ペプチド / オプトバイオ / 光制御 / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光増感剤とペプチド/タンパク質を組み合わせた分子ツール(機能性光増感ペプチド:Functional Photosensitizing Peptide/Protein; FPP)を開発し、細胞機能を光で時空間的制御して観察する技術を確立する。 FPPは光依存的に細胞質内に入っていく分子である。本研究ではFPPの開発を行うとともに、FPP技術を生殖・発生・細胞分化の光制御および機構解明に応用する。FPPの設計指針を確立することと、培養細胞および動物個体(初期胚)への適用を通じて生命科学の問題解決の実例を得ることにより、FPPの有用性と汎用性を示すことが目的である。 H30年度は以下について取り組んだ。 1)FPPの設計指針の検討:FPPの設計上、光増感剤を付加する位置と近傍配列は光応答性に影響する可能性が高いと考え、検討した。具体的には、Bimペプチドを機能部位とするFPP(光増感アポトーシス誘導分子)をベースに光増感剤の近傍配列を検討し、細胞質内導入効率を高めるためには疎水性のアミノ酸配列が適していることを見出した。 2)細胞周期に合わせた一過的分子導入法の確立と、アポトーシスや細胞分化の光誘導への応用:光照射時に急激にFPPが細胞質内に届く仕組みを利用し、細胞周期に合わせた一過的FPP導入法の開発に取組んだ。FPPの例として光増感アポトーシス誘導分子を用い、細胞周期マーカーを見ながらレーザー光で特定細胞周期の1細胞を狙ってFPP導入を行った。本分子が引き起こすアポトーシスと細胞周期との関係が見えてきた。 3)FPPを用いた人為的卵活性化、および、shRNA導入による初期発生の時空間制御:主としてH31年度以降に取り組む本項目の準備段階として、人為的卵活性化のためのFPPの作製に取り組み、初期胚の中の1細胞に対するRNA導入を検討のうえ可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、当初のH30年度計画どおりに、1) FPPの設計指針に関する検討、2) 細胞周期に合わせた一過的分子導入法の確立、3) FPPを用いた卵活性化・初期発生の研究に関する準備、が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
「FPPを用いた人為的卵活性化」については、生理的Ca2+オシレーションを誘導して卵活性化を導く新規のFPP分子を引き続き開発し、卵細胞内への光依存的な導入を試みる。導入条件の検討の後、FPPによるCa2+オシレーションの誘導をCa2+インジケーターを用いて観測し、その後の卵活性化の度合を発生能を目安に調べる。「FPPによるshRNA導入による初期発生の時空間制御」については、第一にEGFP(蛍光タンパク質)ノックダウンを指標にして光による時空間特異的なshRNAによるRNAi法を確立する。その後、初期の細胞分化に関与しそうな遺伝子の時空間特異的ノックダウンに取り組み、主としてICMとTEの2つの細胞系譜への分化のメカニズム解明を目指す。
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Research Products
(9 results)