2019 Fiscal Year Annual Research Report
曲率とリン脂質非対称性による膜タンパク質機能の理解
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18H02092
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
神谷 厚輝 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (70612315)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リポソーム / 人工細胞モデル / リン脂質非対称膜 / マイクロデバイス / エキソサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マイクロデバイスを用いてリン脂質非対称膜を持った小胞を封入したリポソームの作製を行った。真核細胞の小胞膜と形質膜のリン脂質非対称組成は真逆である。タト例えば、真核生物の形質膜の外膜はホスファチジルコリンやスフィンゴミエリンが多く存在し、内膜はホスファチジルセリンやホスファチジルエタノールアミンが多く存在する。一方、小胞の外膜はホスファチジルセリンやホスファチジルエタノールアミンが多く存在し、内膜はホスファチジルコリンやスフィンゴミエリンが多く存在する。このリン脂質非対称膜組成をもった小胞を封入したリポソームは、平面リン脂質非対称膜平行に2枚配置し、ジェット水流をこの枚の平面膜に印加することで、直径約10マイクロメートルのリポソーム内に直径約500ナノメートルの小胞リポソームが封入されている。また、この小胞封入リポソームがリン脂質非対称膜であることを確認している。また、カルシウムイオンのより小胞融合が誘起される。これらの研究は、RSC Advanceに掲載された。このように、マイクロサイズからナノサイズの非対称膜リポソームを形成可能である。したがって、様々な大きなの非対称膜リポソームに膜タンパク質を再構成し、リポソームの曲率による膜タンパク質の機能差異の観察が可能と示唆される。 昨年度行ったリポソーム自動作製デバイスについて論文化をおこなった。また、招待講演並びに一般発表も勢力的におこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リン脂質非対称膜リポソームを形成できるジェット水流法を応用し、リン脂質非対称膜リポソーム作製デバイスや小胞封入リポソームの論文化をおこなっている。また、勢力的に招待講演も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、ナノサイズリン脂質非対称膜リポソームの論文化を行う。膜タンパク質を様々な大きさのリン脂質非対称膜リポソーに再構成し、膜の曲率とリン脂質非対称性による膜タンパク質の機能差異を探索する。
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Research Products
(14 results)