2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18H02096
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒井 雅吉 大阪大学, 薬学研究科, 特任教授(常勤) (80311231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君嶋 敦 大阪大学, 薬学研究科, 特任助教 (20812134)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 海洋天然物 / 標的分子 / 生物活性 / 創薬標的 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画に従い、独自に保有する底生海洋生物の抽出エキスおよび海洋由来微生物の培養抽出物ライブラリーを探索源として、「がん」または「感染症(結核および赤痢アメーバ)」に有効な医薬シーズを見出すための、合計5種類の表現型スクリーニング法による活性試験を実施した。その結果、「がん」に有効な活性を示す4つの海洋由来真菌培養抽出物、結核に対して抗菌活性を示す2つの海綿抽出物、さらに赤痢アメーバに有効な活性を示す2つの海洋由来真菌培養抽出物を見出した。また、選択された抽出物または培養抽出物から、活性試験の結果を指標に、活性成分の精製を試みた結果、「がん」に対する医薬シーズスクリーニング法からは2個、「結核」に対する抗菌物質スクリーニング法からは7個、「赤痢アメーバ」に対する医薬シーズスクリーニング法からは2個の、いずれも活性新規化合物を見出した。さらに、これまでに腫瘍微小環境で機能する化合物として見出していた、海綿由来の新規ピリジンアルカロイドの標的分子解析を実施した結果、これがミトコンドリア呼吸鎖を標的としていることを明らかにした。また、潜在性結核菌に有効な抗菌物質として見出していた、アアプタミン類については、これまでの構造活性相関の結果を基に、結合タンパク質解析のための光親和性プローブ分子の合成を新たに実施し、抗菌活性を保持するプローブ分子の合成に成功した。そして、本プローブ分子の詳細な機能解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い生物活性スクリーニングを実施し、所望の活性を示す複数の抽出エキスまたは培養抽出物を見出し、さらに活性成分の精製を進め、合計11個の活性新規化合物を同定している。さらに、標的分子解析についても、1つの化合物の標的を明らかにすることに成功しており、結核に有効な化合物についても、活性を保持する光親和性プローブの創出に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して生物活性スクリーニングと活性物質の単離・構造決定を進めるとともに、今年度見出した化合物の標的分子解析を開始する。また、標的分子が明らかとなった化合物については、創薬標的としての有用性の検証を実施する。
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Research Products
(11 results)