2018 Fiscal Year Annual Research Report
iRedによる核酸創薬研究を加速させる外部刺激応答型核酸ナノ構造体の創製
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18H02108
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
南川 典昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (40209820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小暮 健太朗 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (70262540)
田良島 典子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 助教 (90755183)
山本 清義 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 特任助教 (80783521)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 核酸創薬 / RNAi医薬品 / iRed / 核酸ナノ構造体 / 微弱電流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はiRed(intelligent RNA expression device)を基盤とした独創性の高い核酸創薬手法の確立のため、iRedに光刺激によって切断される仕掛けを施した短鎖のオリゴヌクレオチド(staple)を相互作用させることによって核酸ナノ構造体を構築し、微弱電流による薬物送達法(fET)による細胞内送達、その後光刺激によるiRedの再構築と活性発現の時空間制御の実現を目指すものである。 初年度である2018年は、長方形型の他、ロの字型の核酸ナノ構造体が構築できるstaple鎖を設計した。 Tris-HClバッファー中、塩化マグネシウム存在下FITC修飾したiRedに対しstaple鎖を混合し、この混合溶液をサーマルサイクラーで95度で10分保温した後、25度へ急冷、さらに45度へ加熱の後、毎分0.5度で冷却することで構築を行った。その結果、長方形型の分子設計では期待した核酸ナノ構造体を全く観察することはできなかったが、ロの字型の分子設計では望みとする核酸ナノ構造体を観察することができた。しかしその収率は低く、構築条件を種々検討したが収率改善には至らなかった。 そこでiRedをセンス鎖とアンチセンス鎖に分離し、それぞれを核酸ナノ構造化した後、組み合わせる手法を試みた。上記とほぼ同じ条件でアニーリングを行い、PAGEによる分析を行った結果、移動度の減少したバンドが観察された。今後、このバンドの構造をAFMによって解析する予定である。 iRedの調製法ならびにiRedのfETによる細胞内送達法については、ほぼ確立済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
iRedの調製法ならびにiRedのfETによる細胞内送達法については、ほぼ予定通り改善、改良が進んでいる。しかしiRedを搭載した核酸ナノ構造体の構築については、アニーリング条件を詳細に検討しているが、望みの構造に収束できる条件を見いだせていない。今後の推進方策で述べるように他のアプローチを検討中であるが、現状、研究の進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように、二本鎖のiRedにstaple鎖を一気に作用させて核酸ナノ構造体を構築するのではなく、iRedをセンス鎖とアンチセンス鎖に分離し、それぞれの鎖で核酸ナノ構造化した後、組み合わせる手法を推進する。 同時に、本研究課題のコンセプト(核酸ナノ構造体がfETによって細胞内送達され、光刺激にするstaple鎖の切断を引き金とするエンドソーム脱出)の妥当性を、よりシンプルな核酸ナノ構造体を用いて検証する。
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Research Products
(11 results)