2018 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation mechanism of iron nutrition by ubiquitin ligases and iron-sulfur clusters
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18H02115
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
小林 高範 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (70590206)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 鉄欠乏 / ユビキチンリガーゼ / 鉄硫黄クラスター / イネ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) ユビキチンリガーゼHRZの基質候補であるグルタレドキシン、bZIP転写因子、bHLH転写因子等についてタンパク質を大腸菌で発現・精製し、in vitro反応を行った結果、いくつかのタンパク質がHRZによりユビキチン化されることが示唆された。また、これらのタンパク質とイネ抽出液を用いた in vitro分解実験により、いくつかのタンパク質がHRZにより分解に導かれることが示唆された。これらの基質候補タンパク質の遺伝子発現量を増減させた形質転換イネを作製し、鉄欠乏応答を解析した結果、当該グルタレドキシンの発現量と鉄欠乏耐性に正の相関があることを見いだした。また、これらのグルタレドキシンは鉄欠乏応答性遺伝子の発現を制御することが示唆された。 (2) 上述の上述のグルタレドキシンの過剰発現イネにおいて、鉄硫黄クラスター要求性の酵素活性に若干の変化が認められた。また、酵母two-hybrid法により、グルタレドキシンとbZIP転写因子との間に相互作用を見いだした。以上のことから、HRZの下流のシグナル伝達経路に鉄硫黄クラスターが関与することが示唆された。 (3) HRZ が持つ鉄結合ドメインのうち、鉄と結合することで鉄硫黄クラスターを形成すると推定されるRubredoxin type-fold にCRISPR/Cas9 により変異を導入したイネ変異体を作製し、遺伝子型の調査と次世代の採取を行った。 (4) HRZ 発現抑制イネと bZIP 転写因子の過剰発現イネについて、いもち病菌、白葉枯病菌への耐性を調査したが、明確な結果は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HRZの基質候補タンパク質の遺伝子発現量を増減させた形質転換イネおよび、CRISPR/Cas9 によるHRZ変異導入イネは一部の例外を除いて順調に作製が進んでおり、いくつかについては鉄ホメオスタシスに関連した表現型が検出できている。リコンビナントタンパク質による in vitro 反応系については、まだ方法の改善が必要であるが、示唆的な結果が得られている。酵母two-hybridの系は順調に機能している。これらを総合的に解釈することにより、HRZの下流のシグナリング経路が順次明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
HRZの基質候補タンパク質の遺伝子発現量を増減させた形質転換イネおよび、CRISPR/Cas9 によるHRZ変異導入イネの作製、解析を進める。in vitro 反応系についてはタンパク質調製や反応系の検討により改善を試みる。
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Research Products
(3 results)