2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism on PRR (Pseudo Response Regulators)-mediated epigenetic regulation underlying robust circadian clock oscillation in higher plants
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18H02137
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山篠 貴史 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00314005)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 概日リズム / シロイヌナズナ / レスポンスレギュレーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、植物のRDとRLDの機能の本質的違い説明する構造的特徴を明らかにするためにPRR7のRLDと植物のARR(A-type ARRとB-type ARRに分類される)のRRの推定構造の比較とRLDに特徴的なアミノ酸の役割を解析した。一次配列比較、二次構造予測プログラム(CRNPRED)の利用、三次構造予測プログラム(DeepSF)の利用によるARR1(B-type ARR), ARR15(A-type ARR), PRR7(PRR)の構造比較を行ったところ、植物のRDとRLDは構造が解けているバクテリアのRDと同じ構造(リン酸化部位を中央に配した、5回のβ-loop-α単位の繰り返し構造)であることが推定された。次に、植物のRDがバクテリアのRD同様に二量体形成活性を有しているかどうかを明らかにするために酵母細胞を用いたtwo-hybrid 法を利用した解析を行ったところ、ARR1のRDは二量体形成活性を有しているが、ARR15のRDは二量体を形成しないことが明らかになった。興味深いことに、RLDの強い二量体形成活性はRDに保存されたリン酸化部位であるAsp残基に対応するGlu残基をAlaに置換することにより顕著に低下した。RDとRLDの一次配列比較において、リン酸化される保存されたAsp残基が存在するβ3-loop-α3の前後のloopに位置するアミノ酸配列がA-type ARR, B-type ARR, PRR間で変化に富んでいることを見いだした。このloop部位に変異を導入したRLDを作製したところ、分子間の相互作用の強さは顕著に低下した。以上の結果から、RLDはRDと本質的に相同な二次構造をとっていると推定され、RDにおいてリン酸化に依存した構造変化の要となるリン酸化部位前後のループのアミノ酸配列が二量体形成活性に強く影響を与えていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は輸入品を中心に研究に必要な消耗品の入手が困難であったため、研究を円滑に進行させる工夫が必要であったが、本年度の研究の目的としたRLDの二量体形成に重要な役割を果たしているアミノ酸を同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、二量体形成不全のRLDを利用することにより、PRRの転写抑制活性との関係を明確にするとともに、二量体形成には関与しないがRLDに特徴的なアミノ酸残基にも注目し、これらが転写抑制活性や分子の安定性にどのように関わっているかを解析することが課題であると考えられる。
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