2020 Fiscal Year Annual Research Report
ゴール形成昆虫による植物ホルモン生産能の進化的獲得機構の解明
Project/Area Number |
18H02141
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 義人 茨城大学, 農学部, 教授 (90222067)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ゴール / 昆虫 / オーキシン / サイトカイニン / 生合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ゴール形成昆虫による植物ホルモン(オーキシンおよびサイトカイニン)の生合成能とゴール形成能との関係性を示すために,両ホルモンの生合成機構を明らかにすることを課題としてきた。その過程で,ゴール形成ハバチよりTrp→インドールアセトアルデヒド(IAAld)の変換を触媒する酵素として,Aromatic aldehyde synthase (PonAAS2)を見出し,ハバチにおける主要なオーキシン(IAA)生合成経路がTrp→IAAld→IAAであることがほぼ決定的となった。PonAAS2タンパク質に対する抗体を調製し,ハバチ中にこの酵素が存在していることも明らかになった.さらに,PonAAS2の組換え酵素を用いて化合物ライブラリーより阻害剤をスクリーニングし,約2000化合物から1つ再現性良く阻害活性を示す化合物を特定した.カイネティック解析の結果,本化合物は拮抗阻害剤であり,ハバチから調製した酵素のTrpをIAAへと変換する活性を80%阻害したことから,PonAAS2がハバチにおけるIAA生合成に主要な役割を果たしていることが推定された.サイトカイニンについては,側鎖の水酸化酵素のスクリーニングを継続したが,活性が得られず,生合成の仕組みを明らかにするには決め手に欠いた.一方,潜葉性の蛾におけるサイトカイニン生産に共生微生物が関与しているとの報告があることから,tZ型サイトカイニンを有するアブラムシを用いて,抗生物質処理によって共生微生物を除いたが,サイトカイニンの内生量には影響がなく,またゴール形成ハバチについて,rRNA枯渇RNAを用いたRNA-sequence解析を行ったが,微生物の遺伝子はほとんど発現が確認出来ず,サイトカイニン生産への共生微生物の関与には否定的な結果となった.これらの結果から,今後の検討対象遺伝子が絞り込まれた.
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)