2020 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞を利用した次世代栄養環境リスク評価系の開発
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18H02154
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
白木 伸明 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (70448520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賈 慧娟 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任准教授 (60456324)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | DOHaD / iPS細胞 / アミノ酸 / 膵臓 / 妊娠 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期の栄養環境が成人後の健康・病気に与える影響については疫学研究、動物実験などで積極的に研究されている一方、ヒトでの介入実験では不可能である。我々はヒトの発生分化を模倣するiPS細胞を用いてステムセルベースの栄養環境リスク評価バッテリーを構築し、妊娠マウスを用いたin vivo評価を併用することで栄養の過不足が臓器形成・機能・成長後のストレス応答に与える影響を定量的に評価した。ヒトiPS細胞分化系を用いた検討からメチオニン・ロイシン・アルギニン・亜鉛を分化中期にそれぞれを単独で制限することで糖代謝に寄与するインスリン分泌臓器である膵臓、およびインスリンを受容してグルコースを蓄積する肝臓への分化が阻害されることを見出した。これらは母親の摂取カロリー不足による子の糖尿病発症リスクの主原因と考えることが出来る。また、in vitro内胚葉分化系で見いだした分化制御栄養因子はその後の膵臓・肝臓・小腸への分化においても重要な役割を担っていることも併せて確認した。さらに、分担研究者である賈は妊娠マウスを用いた検討で胎生12.5-14.5日といった非常に限られた期間のメチオニン制限が仔マウスの糖代謝異常を引き起こすことを見出した。具体的には妊娠中期に短期間メチオニン制限食を与えた母獣から生まれた仔マウスは、脂質合成亢進や耐糖能異常が認められ、メチオニンはインスリンを分泌する膵臓のみならず肝臓へも影響することが示唆された。つまり、全体の摂取カロリーが低い場合であっても上記の栄養因子全部もしくは一部を摂取することで胎生期低栄養による糖尿病リスク回避することが出来るのではないかと考察した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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