2020 Fiscal Year Annual Research Report
行動する動機(=意欲)の形成・維持機構の解明と食品によるその調節の可能性
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18H02156
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 和生 京都大学, 農学研究科, 教授 (80213148)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 動機 / 疲労 / 自発行動 / 自発運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 行動する動機(=意欲)と疲労度を測定する方法の最適化:自発行動についてビデオ撮影により軌跡を記録する方法を導入し、より詳細な解析を行うこととした。マウスに拘束負荷することにより上記自発行動、自発回転カゴを用いた自発運動が減少し、疲労様行動を示すこと明らかとした。 2. 行動する動機を調節する機構の解明:エンドルフィンを産生する神経(POMC神経)にCreリコンビナーゼを発現するマウスと、チャネルロドプシン、もしくはハロロドプシンを、creの存在下に発現するマウスを交配することでPOMC神経にオプシンを発現するマウスを得た。光ケーブルを使わず、無線による信号でLEDを発光させ、オプシンを活性化させるシステムを導入した。マウスが回転かごに接近、回転かごへ進入、さらに回転かごで走行する速度の増大に応じて刺激頻度を増大させるようプログラムした測定系を開発した。この2システムを組合せ、自発走行すれば脳報酬系がより強く活性化する実験系を確立した。これによりPOMC神経を光によって特異的に興奮させるとマウスの自発運動量が増加することを明らかとした。またPOMC神経を抑制する実験において、自発運動量が減少する傾向を示すことを明らかとした。 3. 行動する動機を高める食品の開発:食品などに含まれる香気成分がマウスの行動する動機にどのような影響を及ぼすか検討した。ローズマリー、ジャスミン、カモミールの香気はトレッドミル走行による持久運動時間を延長する傾向を示した。またローズマリー香気については、自発回転カゴを用いた自発運動量を増大させることを明らかとした。これらの香気は、呼吸交換比で測定したエネルギー代謝には変化を引き起こさなかったため、運動する動機を亢進したと推察された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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