2020 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜脂質成分と低分子量Gタンパク質によるTORC2の活性化機構の解明
Project/Area Number |
18H02168
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 善晴 京都大学, 農学研究科, 教授 (70203263)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | TORC2 / 酵母 / ホスファチジルセリン / Cdc42 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは以前、解糖系から派生する2-オキソアルデヒドであるメチルグリオキサール(MG)は、酵母ならびに哺乳類細胞においてTOR複合体2(TORC2)を活性化することを明らかにしている。前年度までの研究から、MGによる酵母のTORC2-Pkc1シグナルの活性化においてホスファチジルセリン(PS)が重要な役割を果たすことを明らかにしてきた。そこで、MGがTORC2-Ypk1/2シグナルの活性化にも関与するのかについて検討を行った。その結果、MGはTORC2-Ypk1/2シグナルの活性化も引き起こした。また、PSの合成酵素であるCho1の欠損株では、TORC2-Ypk1/2シグナルの活性化は観察されなかった。一方、TORC2-Ypk1/2シグナルを活性化させることが知られているオーレオバシジンA(AbA)による当該シグナルの活性化も、cho1Δ株では有意に減弱した。さらに、PSに結合するLact-C2を過剰発現させると、MGやAbAによるTORC2-Ypk1/2シグナルの活性化が競合的に阻害された。 次に、PSと共局在することが知られている低分子量Gタンパク質であるCdc42のTORC2-Ypk1/2シグナルの活性化の関与について検討を行った。その結果、cdc42-13変異株では、MGによるTORC2-Ypk1/2シグナルの活性化は観察されたが、AbAによる活性化は認められなかった。同様の結果は、cdc42-1変異株でも観察された。以上のことから、MGによるTORC2-Pkc1ならびにTORC2-Ypk1/2シグナルの活性化においてPSは重要であるがCdc42は関与しないのに対し、AbAによるTORC2-Ypk1/2シグナルの活性化にはPSに加えCdc42も重要な働きをしていることを明らかにすることができた。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|