2018 Fiscal Year Annual Research Report
QTL analysis of high-temperature tolerant wheat lines and development of selection markers
Project/Area Number |
18H02179
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
辻本 壽 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (50183075)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | パンコムギ / タルホコムギ / QTL解析 / GWAS / マーカー選抜育種 / MSD集団 / 合成コムギ / スーダン |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはタルホコムギの遺伝的多様性を導入したコムギ品種「農林61号」の多重合成コムギ派生(MSD)集団を開発し、スーダンの高温ストレス圃場において栽培し、複数の高温耐性系統を選抜した。また、これら系統の高温耐性は、人工気象器内においても、再現できた。 本研究では、MSD集団よりランダムに選抜した400系統を「MSD系統」として、スーダンの高温ストレス圃場で2年次目の高温耐性評価を行った。また、これらの系統を、ゲノムワイドマーカーであるDArT-Seqによって、遺伝子型分析を行った。高温耐性の程度を、DA遺伝子型と併せて、ゲノムワイド連関解析(GWAS)を行った。その結果、高温耐性の量的遺伝子座を同定できたが、その染色体上の位置は、日長感応性遺伝子(Ppd)と重なった。これまで、出穂までの日数と高温耐性が負に相関することが知られていた。これは、出穂の早い系統が登熟期の高温から逃避できるので耐性になると説明されてきた。しかし、MSD系統の中には、出穂が遅くても高温耐性を示す系統があり、出穂と関係しない独自な高温耐性遺伝子を見いだすためには、出穂日と高温耐性を分けて分析する必要のあることが分かった。 一方で、GWASより精度の高い分析法である「QTL解析」を行うための材料を育成した。高温耐性を示すMSD系統が特定の一次合成コムギに由来することが分かったので、MSD集団の作成過程で保存しておいた、農林61号と一次合成コムギの戻し交配世代(BC1F2系統)の中から2組合わせを選び、世代促進と小規模栽培による単粒系統法を繰り返して、戻し交配自殖4世代目(BC1F4)の種子を得た。また、高温耐性QTLをもつ染色体部位のみを農林61号の遺伝的背景に持つ準同質遺伝子系統の作成のために、耐性を示すMSD系統と農林61号のF1雑種を育成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度、MSD集団からランダムに選んだ400系統をDArTマーカーで栽培し、穂色、出穂日等特徴的な形質についてアソシエーション解析を行い明瞭なQTLが検出できることを確認した。この系統を用いて現在、高温耐性に関するQTLを行っているが、出穂日と耐性に強い相関があり、これら両形質の切り離しに苦慮している。そこで、耐性を示すMSD集団の遺伝子型から判定できた、一次合成コムギ2系統と農林61号のBC1F1世代に戻り、そこから世代促進法を駆使して、現在BC1F4世代の組換え純系系統の種子を得ている。本年度は、さらに世代を促進したBC1F5世代の種子を採種し、スーダンの高温ストレス圃場で栽培し、高温耐性を評価する。同時に、これらをDArTマーカーでジェノタイプし、高温耐性に関するQTLを同定する。同時に、BC1F5系統を農林61号と交配し、高温耐性の準同質遺伝子系統の作成に向けて、系統作成を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、できるだけ早く組換え近交系統を完成させ、これをジェノタイプしてQTL解析を行う。
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