2019 Fiscal Year Annual Research Report
耳石安定同位体比を利用したニホンウナギの天然加入個体/放流個体の分布状況の解明
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18H02225
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
海部 健三 中央大学, 法学部, 准教授 (30615258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 厚太朗 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70463908)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放流 / ウナギ / 耳石 / 安定同位体比 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現在まで放流個体のコンタミネーションにより隠されてきた、ニホンウナギの天然加入個体の生態および資源動態を理解するために調査すべき水域が明らかにすること、および、放流によるウナギ資源回復の効果検証に貢献するために、国内の河川および沿岸域における、ニホンウナギの天然加入個体・放流個体の分布を把握することを目的としている。天然加入個体と放流個体の判別には、耳石酸素・炭素安定同位体比を利用する。 研究計画では12水系から試料を収集し、耳石安定同位体比に基づいて天然加入個体・放流個体を識別することとなっている。2019年度までに網掛川水系、球磨川水系、四万十川水系、高梁川水系、旭川水系、吉井川水系、利根川水系の7水系について生物試料または耳石安定同位体比を入手し、その一部についてはすでに同位体分析を終了し、2018年度に改良された判別モデルを用いて天然加入個体・放流個体の識別を行なった。2020年度にはさらに5水系について耳石安定同位体比を取得し、天然加入個体・放流個体の識別を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では12水系から試料を収集し、耳石安定同位体比に基づいて天然加入個体・放流個体を識別する計画となっている。2019年度までに網掛川水系、球磨川水系、四万十川水系、高梁川水系、旭川水系、吉井川水系、利根川水系の7水系について生物試料または耳石安定同位体比を入手し、その一部についてはすでに同位体分析を終了し、2018年度に改良された判別モデルを用いて天然加入個体・放流個体の識別を行なっている。4年間の研究期間の半分が終了した時点で、目標とする12水系の半分を超える7水系について試料採集または耳石安定同位体比分析が終了していることから、本研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題では全国の約12水系について、耳石安定同位体比を用いてニホンウナギの天然加入個体と放流個体との比率を明らかにすることを目的としている。2019年度までの2年間で利根川水系、旭川水系、高梁川水系、吉井川水系、網掛川水系、球磨川水系、四万十川水系の7水系について耳石安定同位体比または生物試料を入手した。2020年度は川内川、三方五湖(早瀬川水系)、浜名湖、小川原湖他2水系のニホンウナギについて、耳石安定同位体比を明らかにし、各水系の天然加入個体と放流個体との比率を明らかにする計画を立てている。 新型コロナウィルスの感染拡大を受けて移動が制限されたことにより、生物試料の入手が困難になることが予測される。この困難に対応するため、諸研究機関がすでに入手・保管している耳石や、分析済みの耳石安定同位体比を利用することにより、本課題の目的を達成する。
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