2022 Fiscal Year Annual Research Report
Biological effects of long-term radiation exposure on wild animals and plants
Project/Area Number |
18H02229
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
水澤 玲子 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (30722946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石庭 寛子 福島大学, 環境放射能研究所, 特任講師 (00624967)
兼子 伸吾 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (30635983)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アカネズミ / アカマツ / DNA酸化損傷 / DNA修復 / 突然変異 / 福島第一原子力発電所 |
Outline of Annual Research Achievements |
福島第一原子力発電所事故によって生じた長期的な低線量被ばくが野生生物に及ぼす遺伝的影響を明らかにすることを目的として,帰還困難区域の内外においてアカマツ生殖細胞の突然変異率,アカマツ針葉のDNA酸化損傷レベル,及びアカネズミのDNA修復関連遺伝子の多型性を比較した. アカマツ生殖細胞の突然変異率は,前年度までに帰還困難区域内から採取した580粒の種子について5071の遺伝子型を決定し1つの突然変異を検出していた.また対照区の556粒の種子について4251の遺伝子型を決定し突然変異は検出されていなかった.最終年度に当たるR4年度は欠損値の穴埋めを行い,対照区については最終的に4573の遺伝子型を決定したが突然変異は検出されなかった.遺伝子座当たりの突然変異率は帰還困難区域で1.97×10^(-4),対照区で2.19×10^(-4)未満と推定された. アカマツの針葉のDNA酸化損傷レベルは,前年度までの結果として,成熟した針葉と展葉前の葉のどちらについても帰還困難区域内と対照区との間に有意差は検出されなかったが,成葉のシグナルレベルがやや低かったため,R4年度は成葉の再測定を行い,帰還困難区域内外で統計的に有意な差のないことが確認された. アカネズミについては,DNA損傷修復の中心分子として働くAtaxia Telangiectasis Mutated遺伝子(ATM)と,ハウスキーピング遺伝子であるβアクチン及びグルコーストランスポーターのエクソン領域を対象として,対照区2地点と帰還困難区域の間で多型性を比較した.ATMでは帰還困難区域の個体で多数の点変異や挿入/欠失が見られたのに対し,ハウスキーピング遺伝子では対照地域との差が見られなかった.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)