2020 Fiscal Year Annual Research Report
Modification of the protein secretory system in wood rot fungi
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18H02254
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 与一 京都大学, 農学研究科, 教授 (70252517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沢 威人 京都大学, 農学研究科, 助教 (80608141)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 白色腐朽菌 / タンパク質分泌系 / リグニン分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
木材腐朽菌による木質分解酵素の生産に関する研究では、従来、遺伝子発現(転写)と、実際に分泌生産される酵素量との間にギャップがあり、タンパク質分泌系の機能強化が重要であることが指摘されてきた。本研究課題では、申請らが開発した様々な分子遺伝学研究ツールを用いることで、腐朽菌のタンパク質分泌系のボトルネックとなり得るステップ(群) について明らかにし、ゲノム改変によるネックの解消を行って分泌タンパク質の高生産が可能な株の育種を目指す。 リグニン分解酵素の転写量を人為的に高めた場合に、それに見合う酵素活性が見られない理由としてこれまで「翻訳後調節機構」の存在が提案されてきたが、実際に解析した例はない。本課題ではこれまでに蛍光タンパク質(mCherry)やルシフェラーゼタンパク質をレポーターとして用い、 ゲノムよりサーベイしてきた各細胞内小器官に存在すると考えられるタンパク質のシグナル配列と連結することで、細胞内のタンパク質分泌系路について、蛍光顕微鏡を用いて分子細胞生物学的に解析を行った。また、木材腐朽菌におけるゲノム編集系の開発を進め、任意のゲノム編集を可能とする技術基盤の開発にも取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な細胞内小器官に局在すると思われるタンパク質の遺伝子を検索し、蛍光タンパク質と融合タンパク質として発現することができており、ヒラタケの分泌系を解析するための準備は着々と整ってきている。また、ヒラタケへのゲノム編集技術が確立し、今後の研究の基盤となる技術開発に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
酵母などで局在がわかっているタンパク質のホモログを用いた分析例を増やし、より確実な細胞内小器官の確認を行う。また、細胞内小器官を特異的に染色する複数の試薬を用いてそれそれの融合タンパク質の局在する位置について解析を行う。 リグニン分解酵素と蛍光レポーター融合タンパク質による翻訳後の滞留ステップの解明 リグニン分解酵素の分泌シグナルと上記蛍光レポータータンパク質の融合タンパク質を発現する遺伝子コンストラクトを作り、形質転換により ヒラタケ内で発現する。誘導型のプロモーター制御等により発現を高めた場合に、上記で判明した分泌系のどの細胞内小器官で滞留が認められるかについて解析を行う。
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Research Products
(3 results)