2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research and development of observation techniques for fish behavior and ecology under Antarctica sea ice
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18H02262
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
宮本 佳則 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (80251685)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超音波バイオテレメトリー / 南極 / 海氷下 / 魚類 / 行動・生態 |
Outline of Annual Research Achievements |
第60次南極地域観測隊において、南極昭和基地周辺の沿岸域で、超音波バイオテレメトリーシステムの性能評価を実施した。機材としては、海外製品および国内製品の2種類を用いた。これは、対象魚類の体長が小さいことを想定して、できるたけ小型の超音波発信器(ピンガー)を用いたいこと。しかしながら、狭い海域において多数の魚類の行動を観測したいことから、国内外の製品を吟味して、適切な機種を選定した。また、海氷に覆われている海域なので、通常の海域と異なり、海面での超音波信号の反射が大きくなること。温帯域から熱帯域で観測される水中生物の鳴音がないことなどから、水中録音機を用意して、超音波の伝搬距離、信号対雑音比、測位精度の検証などの計測を実施した。 さらに、実施に魚類を捕獲して、数匹で短い期間ではあるが、行動追跡観測を実施した。また、当初予定していた複数魚種の捕獲にも成功したので、魚種による行動の違いなども観測が実施でき、かつ、魚種組成についての知見を得ることができた。 加えて、今後の研究を見据えて、アデリーペンギンの営巣地などを視察して、現場における超音波バイオテレメトリーシステムの設置などについての検討材料を得ている。 ただし、南極における夏季のみであり、冬季などを経ての機材の回収などについては国内で検証を実施する。 上記の観測データは、一部、隊員などの帰国時に持ち帰れたデータもある。しかし、多くの機材は砕氷艦しらせで運搬しており、当該船舶が東京に帰港(次年度の4月中旬を予定)してから開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に計画していた、機器の選定から、実際の調査、データ取得までが順調に実施しされている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施した調査・研究のデータを解析して、次年度に開催予定の国内外の学会において発表を実施する。また、今後南極での調査・研究が困難であることは想定済みであるので、国内における氷結湖や河川を用いた追加実験を実施する。
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