2020 Fiscal Year Annual Research Report
ルーメン絨毛組織と宿主免疫系の相互関係の解明による新規ルーメン免疫学の展開
Project/Area Number |
18H02325
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
盧 尚建 東北大学, 農学研究科, 教授 (90322130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 聡 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 主任研究員 (90442748)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ウシ / ルーメン / 恒常性 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】仔牛では離乳期間において摂取飼料の変化によりルーメン内発酵やルーメン微生物との共生が始まり、離乳後にはその変化によりルーメン内にはフラジェリンやリポポリサッカライド(LPS)などが増加することが知られている。したがって、本研究ではルーメン上皮での防衛反応機構におけるIL-1βの役割を明らかにすることを目的とした。 【材料と方法】(実験1)6頭のホルスタイン種雄仔ウシ(35日齢区(n=3)、63日齢区(n=3、56日齢時に離乳))から単離した培養ルーメン上皮細胞にSCFA、LPS、フラジェリン刺激をした。qRT-PCRにより、IL-1βの遺伝子発現量を解析した。(実験2)培養ルーメン上皮細胞LPS、IL-1β、LPS+IL-1βで24時間刺激し、MTTアッセイと経上皮電気抵抗値(TER)の測定を行なった。 【結果】(実験1)培養ルーメン上皮細胞(35日齢、63日齢)にSCFA、LPS、フラジェリン処理をした場合に、IL-1βの遺伝子発現量が有意に高かった。(実験2)MTTアッセイより、コントロール区と比較して、IL-1β (0.5、50ng/ml)処理区では高い傾向にあり(P<0.1)、IL-1β(5 ng/ml)処理区では有意に高くなった(P<0.01)。また、LPS区と比較して、LPS+IL-1β(0.5、50 ng/ml)処理区では有意に高くなった(P<0.5、P<0.001)。 以上の結果より、ルーメン上皮においてIL-1βは(1)離乳によりSCFA、LPS、フラジェリンなどがルーメン内に増加し、ルーメン内環境が変化した際の恒常性維持に寄与すること、(2)ルーメン上皮が損傷した場合には、細胞の増殖を促進することにより損傷の修復に寄与することが示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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