2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of cyclophilin A in exosome produced by mammary epitheliocyte on bovine mastitis.
Project/Area Number |
18H02326
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
麻生 久 東北大学, 農学研究科, 教授 (50241625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野地 智法 東北大学, 農学研究科, 准教授 (10708001)
渡邊 康一 東北大学, 農学研究科, 助教 (80261494)
北澤 春樹 東北大学, 農学研究科, 教授 (10204885)
奥 夏美 (岡田夏美) 東北大学, 農学研究科, 技術一般職員 (10621584)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ウシ乳房炎 / シクロフィリンA / エクソソーム / マイクロアレー解析 / 炎症 / 免疫反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
シクロフィリンAは細胞外に放出され、炎症反応における白血球遊走因子ケモカインの一つであることが明らかとなり、乳腺上皮細胞からのエクソソーム依存的なシクロフィリンA分泌機構に加え、シクロフィリンAの樹状細胞によるT細胞調節機構に及ぼす作用を解明することは、シクロフィリンAを含めた白血球遊走因子を乳房炎治療の新たな標的分子とした治療法の開発に繋がり、抗生剤に頼らない乳房炎治療対策の新しい柱となると考えられる。今年度は、以下の研究成果を得た。 健康牛および乳房炎牛の乳からシクロフィリンAを含有したエクソソームを精製し、その粒径と含有されているシクロフィリンAの濃度の比較を行い、健康牛と乳房炎牛における乳汁中エクソソームの粒径と含有されているシクロフィリンAの濃度には違いが認められなかった。よって、ELISA法で検出しているシクロフィリンAはエクソゾームに含有されない単体のシクロフィリンAであることを明らかにした。 樹立に成功したウシ乳腺上皮細胞株を用いて、乳房炎を誘起させる菌体および菌体成分による炎症関連遺伝子の網羅的解析を行い、発現変動のあった免疫関連の14遺伝子をリストアップし、その発現をリアルタイムPCR法で解析した。マイクロアレイ解析により、発現変動のあった免疫関連の14遺伝子をリストアップすることができ、そのリアルタイムPCRによる検証を行い、リポ多糖LPS刺激により、IL-1α, IL-1β, IL-8, MCP-1(CCL2), CXCL2およびCXCL3の発現増強を検証することができたが、シクロフィリンA(PPIA)はいずれの刺激においても変動が見られなかったことより、異なる誘導系の存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
シクロフィリンAは、乳腺上皮細胞からのエクソソーム依存的なシクロフィリンA分泌機構によって細胞外に放出されると考えられていた。本研究によって、乳汁中にはエクソゾームに含有されない単体のシクロフィリンAが存在すること発見することができた。また、乳腺上皮細胞は菌体および菌体成分の刺激だけではシクロフィリンA遺伝子の発現が誘導されないことが判明し、他の誘導機構が存在することが明確となった。これにより、炎症誘起因子シクロフィリンAは乳房炎発症に至る過程で重要な働きをしていることが明らかとなり、本研究の推進意義が明確となった。
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Strategy for Future Research Activity |
シクロフィリンAは細胞外に放出され、炎症反応における白血球遊走因子ケモカインの一つであることが明らかとなり、乳腺上皮細胞からのエクソソーム依存的なシクロフィリンA分泌機構に加え、シクロフィリンAの樹状細胞によるT細胞調節機構に及ぼす作用を解明することは、シクロフィリンAを含めた白血球遊走因子を乳房炎治療の新たな標的分子とした治療法の開発に繋がり、抗生剤に頼らない乳房炎治療対策の新しい柱となると考えられる。今年度は、以下の研究を行う。1)組換え型シクロフィリンAを健康牛の乳頭孔より投与して乳汁中体細胞数の変動を解析して作用機構を明らかにする。また、シクロフィリンAによる乳汁中への炎症因子の分泌誘導機構を解析する。 2)樹立に成功したウシ乳腺上皮細胞株を用いて、健康牛の乳汁あるいは乳房炎牛の乳汁を処理し、シクロフィリンAおよび炎症誘起因子の産生機 構を解析する。また、炎症関連遺伝子の網羅的解析を行い、標的遺伝子についてリアルタイムRT-PCR法により検証する。最終的には、乳腺上皮細胞の乳房炎原因菌処理からアポトーシスに至る過程の形態的あるいは遺伝子的な変化を詳細に解析する。
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Research Products
(19 results)