2020 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類減数分裂における相同染色体間の結合を確立する仕組み
Project/Area Number |
18H02353
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
李 智博 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (50372660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平谷 伊智朗 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40583753)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 減数分裂 / コヒーシン / 精母細胞 / 相同染色体 / 対合 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,姉妹染色分体の接着を担うコヒーシンの研究により,減数分裂の染色体分離を制御する分子メカニズムの概要はわかってきたが,減数分裂において相同染色体がどのようにお互いを認識し,結合を確立するか,そのメカニズムは解明されていない。本申請課題では,申請者が発見したRAD21LとREC8の2種類の減数分裂特異的コヒーシンサブユニットに着目して,相同染色体間の結合の分子基盤を明らかにすることを目的としている。 本年度は,前年度までに作製した2種類の遺伝子改変マウス(Rec8-3×Flag KIマウス,Rad21L-3×Flag KIマウス)の精巣抽出液を材料に,抗FLAG抗体を使用した免疫沈降法により,減数分裂型コヒーシンとその相互作用タンパク質を精製することを試みた。免疫沈降法に用いるバッファーや溶出時の条件検討,免疫沈降後のHeparinカラムにより精製条件の検討,精製物の限外濾過による濃縮条件などの検討を行った。REC8-3×FLAG,RAD21L-3×FLAGともに,免疫沈降物の3×FLAGペプチドによる溶出,Heparinカラムでの精製までは成功しているが,その際に用いていたバッファーは,限外濾過による濃縮には適さないことがわかった。そのため,限外濾過に適したバッファーに変更し,再度,免疫沈降とHeparinカラムによる減数分裂型コヒーシンの精製の条件検討を行ったが,両手法に適したバッファー条件はまだ見つかっていない。ChIP-Seq用のサンプルも調整し,解析にかけてみたが,良い結果は得られなかった。こちらの方も,サンプルの溶出条件の検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
減数分裂型コヒーシンの精製条件を検討したが,免疫沈降,Heparinカラムによる精製,限外濾過による濃縮という3つの過程に適したバッファー条件を検討する中で,全過程に適したバッファー等の条件が見つからず,予定していた以上のサンプルの消費となり,実験材料(マウスの精巣抽出液)の不足なども生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
質量分析にかけるサンプルについては,免疫沈降後に濃縮しなくても済むように,少量のペプチド溶液による溶出を行い,そのまま解析にかけるようにする。また,その際には,非特異的に結合するタンパク質の混入を防ぐため,幼若齢マウスの精巣抽出液や,磁性ビーズを使用して免疫沈降を行う予定である。
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Research Products
(1 results)