2019 Fiscal Year Annual Research Report
Optimization of Endometriosis-Targeted Therapeutic Peptide Using Cynomolgus Monkey
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18H02362
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
中村 紳一朗 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 准教授 (50307980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 元裕 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70514173)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / カニクイザル / ペプチド療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は子宮内膜症を発症したカニクイザルに、子宮内膜上皮細胞へ特異的に結合するペプチドと細胞殺傷能力を持つペプチドの複合体[KLAKLAK]2-Z13と[HLAHLAH]2-Z13(20mg/25ml PBS)を腹腔内視鏡操作により腹腔内へ単回投与した(うち1頭には0.5mg/mlヒアルロニダーゼ混和)。投与後、病変の軽減を認めたが、その程度は微弱であり、かつヒアルロニダーゼ投与個体では施術部位の癒着亢進が認められた。そこで2019年度は同ペプチドを複数回、2頭の子宮内膜症発症カニクイザルへペプチドを投与する方法に変更した(うち1頭には0.5mg/mlヒアルロニダーゼ混和)。1回の投与量は前年度と同じ(20mg/25ml PBS)で、これを2週間毎に計4回投与した。その後、2週間毎の観察を8回行い、画像データを保管、採血を行い、また4週毎にはバイオプシーで異所性子宮内膜組織を採取した。各時点の画像データから病変部位をマッピングしたところ、月経周期に伴う病変の増減はあるものの、期間全体を通じて病変は軽減した。血液、血液生化学的変化は全期間を通じて異常は見られなかった。保存血清を用いたELISAによるCA125、TGF-b、IL-10は次年度に計測する。バイオプシーで採取した異所性子宮内膜組織は5mm立方以下と非常に小さく、径時的な質的変化を評価するに至らなかった。このスケジュールは効果的だったが、例数が少なく統計的な評価には不十分なため、同じスケジュールの実験を2020年度にもう一度行う。一方で、径血管で投与可能なペプチドは開発がやや遅れていたが、子宮内膜組織へより親和性の高いL型のKLAKLAK]2-Z13・[HLAHLAH]2-Z13を開発したので、その効果を2頭の子宮内膜症発症カニクイザルで評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、国際的な物資の授受が難しくなっており、カニクイザルの入手も困難な状況が続いている。実験適用に合致するカニクイザルが思うように得られなかったことにより、昨年度に計画していた実験数を充足できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
より効果的な投与スケジュールが確定できたので、その方法による実験数を増やし、効果としてのバリデーションを行う。その評価系が内視鏡での観察所見をマッピングしたものだけなので、より客観的なデータとして子宮内膜症の進展や退縮に伴って変動すると予想されるCA125、TGF-b、IL-10などのELISAを行う。さらに高い効果が期待されるL型のKLAKLAK]2-Z13・[HLAHLAH]2-Z13を用いる実験も予定する。
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