2019 Fiscal Year Annual Research Report
真の1細胞情報に基づく、クロマチンダイナミクスの正確な解明
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18H02374
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永野 隆 大阪大学, 蛋白質研究所, 招へい教授 (70272854)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | クロマチン / エピジェネティックス / 1細胞解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
クロマチンの高次構造とエピゲノム情報や遺伝子発現情報との間の関連付けは、これまで「細胞集団データどうしの間」或いは「1細胞データと細胞集団データとの間」で行われてきた。同じ1細胞から得たクロマチン高次構造とエピゲノム情報を関連付けることができればより正確な分析が可能になるが、それが実現していない背景には、それら複数の情報を同じ1細胞から取得する技術が存在しないという事実がある。本研究計画全体の目標は、クロマチン高次構造情報とそれ以外のエピゲノム情報を同じ1細胞から取得する新たな方法を開発し、情報の関連付けを真の1細胞解像度で行えるようにすることである。
昨年度までに行なった研究により、クロマチン高次構造に関するデータとエピゲノム情報を鋭敏かつ総合的に反映するトランスクリプトームデータを同じ1細胞から取得するためのハイブリッドプロトコールの基本的な枠組みを確立することができた。これに基づいて実際に次世代シークエンス解析を繰り返し行なって検討したところ、データの再現性については安定していることが確認できた。しかし通常の1細胞データと比較すると、この新たなハイブリッドプロトコールから得られる1細胞データの品質にはまだ改善の可能性が残っていると考えられる。
今後はその枠組みを基にして、引き続きデータ品質を可能な限り高めるための改良を目指すと共に、解析スループット増大に向けた検討も行ない、できるだけ早くに大規模スケールでのデータ取得を終え、データ解析作業に繋げる計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに行なった研究により、クロマチン高次構造に関するデータとエピゲノム情報を鋭敏かつ総合的に反映するトランスクリプトームデータを同じ1細胞から取得するためのハイブリッドプロトコールの基本的な枠組みを確立することができた。これに基づいて得られる情報を次世代シークエンス解析にて検討したところ、データの再現性については安定していることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
新たなハイブリッドプロトコールによる1細胞データを通常の1細胞データと比較すると、現時点では新たな手法により得られるデータの品質にはまだ改善の余地が残っていると考えられる。今後はそのプロトコールを基にして、データ品質を可能な限り高めるための改良を目指すと共に、解析スループット増大に向けた検討も行ない、できるだけ早くに大規模スケールでのデータ取得を終え、データ解析作業に繋げる計画である。
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