2018 Fiscal Year Annual Research Report
Tudorドメイン蛋白質群が関与するpiRNA生合成経路の解明
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18H02375
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
甲斐 歳恵 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (40579786)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | piRNA / Tudor domain / ピンポン増幅 / トランスポゾン / 生殖細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
Tdrd5変異体におけるpiRNA生合成異常の解析:前年度、Aubに積み込まれている成熟piRNA、およびプロセシング中間体を、対照の野生型とTdrd5変異体の卵巣粗抽出液から精製し、次世代シーケンシングによって解析した。結果は良好で、インフォマティクス解析を終えた。
複合体の形成機構の解析:前年度の遺伝学的解析から、Tdrd5とTdrd9、KrimとAgo3が4量複合体を形成しうることを見出し、生化学的手法による検証を行なった。また、Tdrd5がpiRNAプロセシングのどのステップに必要なのかを同定するために、現在、さらに詳細にプロセシング機構を解析し、上流で機能しているVasaヘリカーゼとSpnEヘリカーゼの機能解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年後期、piRNAの解析(Ago3)の工程で、当初の予想に反し、Ago3の免疫沈降の効率に問題があることが判明し、異なる抗体や蛋白質を用いた解析手法の検討が必要になった。その結果、piRNAの解析(Ago3)手法の検討およびpiRNAの解析(Ago3)の工程のため、遅延が生じることになった。CRISPR-Cas9を用いたゲノム編集によって、Ago3にタグを付与した遺伝子改変ショウジョウバエを作成し、そのタグを用いた免疫沈降法によって結合RNAを精製することとした。Tdrd5、また2つのヘリカーゼタンパク質も同様にタグ付きショウジョウバエを作成し、結合RNAおよび結合タンパク質を精製、同定を試みた。
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Strategy for Future Research Activity |
タグつきタンパク質に対する免疫沈降法によって結合RNAを次世代シーケンシングで解析し、インフォマティック解析によってTdrd5の生化学的活性を明らかにする。また、遺伝学的解析によってTrdr5の上流で機能していることが示唆されている2つのヘリカーゼタンパク質に結合するRNA種を免疫沈降法と次世代シーケンシングによって解析し、それらの生化学的機能を明らかにする。
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