2020 Fiscal Year Annual Research Report
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18H02384
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西増 弘志 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00467044)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RNAサイレンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
非コードRNAが司る遺伝子制御は原核生物から真核生物に至るまで広く保存された分子機構である。これらの分子機構では非コードRNAがガイドRNAとしてはたらき、RNA依存性ヌクレアーゼを標的となる核酸に導くという共通原理が存在する。ショウジョウバエ由来Ago2はsiRNAとRISCを形成し、ウイルス由来RNAを切断することによりウイルス防御に関与する。長鎖の2本鎖RNA前駆体は2本鎖RNA切断酵素Dicer-2によって21塩基長の2本鎖siRNAへとプロセッシングされる。Dicer-2は2本鎖RNA結合タンパク質R2D2とDicer-2-R2D2ヘテロダイマーを形成し、Ago2へsiRNAを受け渡す。2本鎖siRNAのうち熱力学的に不安定な末端はDicer-2に結合する一方、安定な末端はR2D2に結合し、2本鎖siRNAはAgo2に受け渡される。しかし、Dicer-2-R2D2複合体によるsiRNA認識およびAgo2へのsiRNA受け渡しの分子メカニズムは不明である。本年度は、Dicer-2、FLAG-R2D2を哺乳類細胞において発現させ、抗FLAGレジンを用いてDicer-2-R2D2複合体を精製することに成功した。さらに、Dicer-2-R2D2複合体と2本鎖siRNAを混合することにより、Dicer-2-R2D2-2本鎖siRNA複合体を再構成し、ゲルろ過クロマトグラフィーを用いて高純度の複合体を精製した。精製試料をグリッド上で瞬間凍結し、クライオ電子顕微鏡を用いて観察することにより複合体の粒子像を取得した。単粒子解析の結果、予備的な密度マップの取得に成功した。今後は、Dicer-2-R2D2-2本鎖siRNA複合体の溶液条件の最適化を行い、分解能の向上した密度マップを取得、構造決定を目指す。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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