2020 Fiscal Year Annual Research Report
多核固体NMRによる光受容膜タンパク質のイオン結合・輸送機構の解明
Project/Area Number |
18H02387
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
川村 出 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (20452047)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 固体NMR / レチナール / 膜タンパク質 / ロドプシン / 多核NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではレチナールを発色団としてもつ微生物型ロドプシンのイオン結合状態における固体核磁気共鳴分光法(固体NMR)による構造解析を進めている。 (1)13Cおよび15N標識したシゾロドプシン、ヘリオロドプシン (HeR)、ミドルロドプシンなどの微生物型ロドプシンの固体マジック角回転NMRによる構造解析を行い、15Nプロトン化シッフ塩基の信号を観測した。これによってプロトン化シッフ塩基と対イオンとの相互作用や極大吸収波長に対するシッフ塩基の信号の関係性を示すことに成功した。また、レチナールの炭素信号についても化学シフト値の変化をまとめた。 (2)脂質膜中にHeRタンパク質を再構成し、膜貫通領域のアミノ酸残基の信号帰属をさらに進めた。さらに光誘起-水素/重水素交換実験をHeRに適用した。光反応サイクル中に水分子がコンタクトしたアミノ酸残基を特定し、光反応中での構造変化を示唆した。 (3)光駆動型ナトリウムイオンポンプ機能を持つロドプシンKR2のArg109のNMR信号について、アルカリ金属イオン依存性の再現性を確認し、Na+との特異的な相互作用を明らかにした。 (4)23Naや33S多核NMR測定を実施し、バルクのイオン種とは区別して蛋白質結合状態のイオンを検出する実験を試みた。識別にはさらなる信号ノイズ(S/N)比の向上が必要である。 (5)測定中にサンプルに対してマイクロ波を照射することができるIn-situマイクロ波照射NMRを用いて、エタノール/ヘキサン混合物での極性分子の特異的な水素結合変化を示した。今後、水環境中でのタンパク質やペプチド分子に適用が期待できる成果となった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Structural determination of the sheath of Sphaerotilus montanus using thiopeptidoglycan lyase which cleaves the 1,4 linkage between α-D-GalN and β-D-GlcA2021
Author(s)
1. D. Kasiwabara, K. Kondo, R. Usami, D. Kan, I. Kawamura, Y. Kawasaki, M. Sato, T. Nittami, I. Suzuki, M. Katahira, M. Takeda
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Journal Title
International Journal of Biological Macromolecules
Volume: 183
Pages: 992-1001
Peer Reviewed
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