2019 Fiscal Year Annual Research Report
新規化合物を用いて迫る概日時計タンパク質CRY1とCRY2の特異性の分子基盤
Project/Area Number |
18H02402
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
廣田 毅 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (50372412)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 概日時計 / ケミカルバイオロジー / 化合物 / CRYタンパク質 / 選択性 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠・覚醒や代謝など、多様な生理現象は体内に存在する概日時計に支配されて一日周期のリズムを示す。申請者はケミカルバイオロジーを応用し、概日時計の機能を調節する新規化合物を発見して鍵となる制御機構を明らかにしてきた。そのひとつである化合物KL001は、概日時計の発振に中心的な役割を果たす時計タンパク質CRYを標的とする。さらに、KL001誘導体の解析から非常に高い活性を持つKL044を見出した。KL001とKL044は共にCRY1とCRY2の両者に作用する。これに対し、全く異なる化学構造を持つ新たな周期延長化合物AとBを表現型スクリーニングから見出し、CRY1選択的に作用することを発見した。本研究ではこれらのユニークな化合物を用い、CRY1とCRY2の違いを生み出すメカニズムに迫る。本年度はまず、CRY2により強く作用する化合物として同定したCの特異性を、Cry1およびCry2ノックアウト細胞を用いてPer2レポーターの抑制活性ならびに周期延長活性を指標に解明した。さらにCRY2の発現・精製系を構築し、CRY2と化合物Cとの複合体の構造をX線結晶構造解析によって明らかにした。化合物Cの誘導体が概日リズムの周期に与える作用を細胞レベルで評価して構造活性相関を解析し、活性に必要な化合物の特徴を抽出して立体構造との対応を明らかにすると共に、結晶構造におけるタンパク質と化合物の相互作用様式が溶液中でも成り立つことを示した。さらに、CRY1とCRY2の間で違いのあるアミノ酸残基を入れ替えた変異体を作製し、化合物AとCに対する感受性の変化を解析することによって、選択性に必要な領域を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
CRY2に選択性をもつ化合物として見出したCとCRY2との複合体の構造を決定し、順調に進展している。さらに、CRY1とCRY2の選択性に必要な領域を見出すことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
化合物Bの解析を進め、化合物AならびにCと比較することにより、CRY1とCRY2の違いを生み出す分子基盤を解析する。
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[Journal Article] Isoform-selective regulation of mammalian cryptochromes2020
Author(s)
Miller Simon、Son You Lee、Aikawa Yoshiki、Makino Eri、Nagai Yoshiko、Srivastava Ashutosh、Oshima Tsuyoshi、Sugiyama Akiko、Hara Aya、Abe Kazuhiro、Hirata Kunio、Oishi Shinya、Hagihara Shinya、Sato Ayato、Tama Florence、Itami Kenichiro、Kay Steve A.、Hatori Megumi、Hirota Tsuyoshi
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Journal Title
Nature Chemical Biology
Volume: 16
Pages: 676~685
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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