• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Annual Research Report

生体1分子オングストローム計測法の開発

Research Project

Project/Area Number 18H02418
Research InstitutionInstitute for Molecular Science

Principal Investigator

飯野 亮太  分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 教授 (70403003)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords1分子計測 / 分子モーター / 光学顕微鏡
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、アキシコンレンズを利用して開発した輪帯照明型の全反射暗視野顕微鏡を用いて、粒径40 nmの金ナノ粒子を、1.3Åの位置決定精度、1ミリ秒の時間分解能で観察することに成功した。また、33マイクロ秒の時間分解能においても5.4Åの位置決定精度を達成した。
まず、位置決定精度の下限値を決める要素を特定するため、入射光強度や粒径を変えて計測を行った。その結果、位置決定精度は、フォトン数の平方根に比例して向上することを確認した。この結果は、位置決定精度を定める理論式とよく一致した。さらに、従来の全反射暗視野顕微鏡の位置決定精度の下限値が約3Åであり、検出器の信号の飽和が下限値を決めることを見いだした。
検証結果に基づき、位置決定精度の向上を図るため、輪帯照明型の全反射暗視野顕微鏡を開発した。輪帯照明とすることで、これまで対物レンズの1点に集光していたレーザー光を円状に分散できる。これにより対物レンズの光損傷を抑え、入射可能な光強度を高めることを可能にした。さらに、検出器のピクセルサイズを小さくすることで、信号の飽和を抑制した。これらの改良により、位置決定精度の下限値を1.3Åまで向上させることに成功した。
また、位置決定精度と時間分解能の関係についても検証した。時間分解能と位置決定精度はトレードオフの関係にある。時間分解能が高いほど、画像1フレームで得られるフォトン数が低下し、位置決定精度が低下する。今回開発した装置は入射光強度を高めることができるため、高速かつ高精度な計測を実現でき、33マイクロ秒の時間分解能で5.4Åの位置決定精度を達成した。
さらに、より小さな粒径30nmの金ナノ粒子を1.9Åの位置決定精度と1ミリ秒の時間分解能、および1.7nmの位置決定精度と33マイクロ秒の時間分解能で1粒子イメージングすることにも成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画どおり、アキシコンレンズを利用した輪帯照明型の全反射暗視野顕微鏡を開発することで、粒径40 nmの金ナノ粒子を1ミリ秒の時間分解能と1Åの位置決定精度で1粒子イメージングすることに成功した。また、33マイクロ秒の時間分解能では、5.4Åの位置決定精度を達成した。さらに、位置決定精度を決める主要な因子はフォトン数であり、フォトン数の平方根に比例して向上することを確認した。また、検出器の飽和によって位置決定精度が飽和することを明らかとし、ピクセルサイズを小さくすることで、この飽和を改善することにも成功した。これらの改善により、より小さな粒径30nmの金ナノ粒子を1.9Åの位置決定精度と1ミリ秒の時間分解能、および1.7nmの位置決定精度と33マイクロ秒の時間分解能で1粒子イメージングすることにも成功した。

Strategy for Future Research Activity

今後は、より小さな金属ナノ粒子を高い位置決定精度と時間分解能で観察可能にする。また、金・銀ナノ粒子はプラズモン共鳴波長の違いに起因し散乱効率の高い波長が異なる。それぞれの共鳴波長に合わせたレーザーを用い、金・銀ナノ粒子を識別して同時計測する。様々なサイズの粒子で金・銀ナノ粒子の識別能を検証する。さらに時間分解能と位置決定精度の相関を検証し、1分子オングストローム計測に利用可能なサイズの下限値を定量的に明らかにする。
さらに、開発した1分子オングストローム計測法を分子モーターに適用しその作動機構を徹底的に理解する。作動様式が大きく異なる複数のリニア分子モーター、回転分子モーターを対象とし、作動機構の多様性と普遍性を理解する。具体的には、単量体リニア分子モーターセルラーゼ、二量体リニア分子モーター細胞質ダイニン等をターゲットとする。

  • Research Products

    (7 results)

All 2018 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Invited: 4 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] Single-nanoparticle tracking with angstrom localization precision and microsecond time resolution2018

    • Author(s)
      Ando J, Nakamura A, Visootsat A, Yamamoto M, Song C, Murata K, Iino R
    • Journal Title

      Biophysical Journal

      Volume: 115 Pages: 2413-2427

    • DOI

      10.1016/j.bpj.2018.11.016

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] High-speed single-molecule imaging analysis of protein molecular motors with plasmonic nanoprobes2018

    • Author(s)
      Ryota Iino
    • Organizer
      Seminar in IBS Center for Molecular Spectroscopy and Dynamics
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] Processive chitihase is a Brownian monorail operated by fast catalysis after peeling a rail from chitin crystal2018

    • Author(s)
      Ryota Iino
    • Organizer
      Workshop on "Molecules, Materials, Devices and Systems"
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] 生体・人工分子マシンの共通原理の理解を目指して2018

    • Author(s)
      飯野亮太
    • Organizer
      第15回AMO討論会
    • Invited
  • [Presentation] プラズモニックナノプローブを用いた生体分子の時分割1分子イメージング2018

    • Author(s)
      飯野亮太
    • Organizer
      2018年度 物理学会秋季大会
    • Invited
  • [Remarks] 自然科学研究機構 分子科学研究所 飯野グループ

    • URL

      https://groups.ims.ac.jp/organization/iino_g/index.html

  • [Remarks] 光学顕微鏡で原子レベルの位置決定精度を達成(飯野グループら)

    • URL

      https://www.ims.ac.jp/news/2018/11/28_4134.html

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi