2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of single-molecule measurement with angstrom precision
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18H02418
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
飯野 亮太 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 教授 (70403003)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 1分子計測 / 分子モーター / 光学顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.金ナノ粒子、銀ナノ粒子は、プラズモン共鳴波長の違いに起因し散乱効率の高い波長が異なる。それぞれの共鳴波長に合わせたレーザー光を用いた二波長全反射暗視野照明光学系、およびDual View光学系を用いた二波長同時検出光学系を開発し、金ナノ粒子と銀ナノ粒子を識別して同時に高速、高精度に1粒子イメージングすることに成功した。様々な観察条件において、金ナノ粒子と銀ナノ粒子の識別能を定量的に検証し、さらに時間分解能と位置決定精度の相関を検証した。 2.開発した1分子オングストローム計測法を生体分子モーターに適用した。高分解能の構造情報が得られている腸球菌由来のV1モーターを対象とし、回転運動の詳細な1分子解析を行うことに成功した。1分子解析の結果、1個のATPの加水分解に相当する120°の回転がさらに、40°と80°のより小さな角度の回転(サブステップ)に分離できることを初めて発見した。また、ATP加水分解が遅い変異体を用い、さらに反応生成物のADPを加えた実験では、本来の回転方向(Vo部分からみて反時計回り)とは逆向きに-80°もしくは-40°回転する様子が観察された。回転運動中の停止時間の分布を解析することで、40°サブステップ前の停止では3つ、80°サブステップ前の停止では1つ、合計で4つの時定数が得られ、これらの時定数がATP加水分解反応の4つの素過程(ATPの結合、ATPのリン酸結合の開裂、反応生成物ADPの解離、反応生成物リン酸の解離)に対応することを明らかにした。さらに、1分子解析で得られた結果をX線結晶構造解析による構造情報と組み合わせることで、V1の化学力学共役機構のモデルを提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.金ナノ粒子と銀ナノ粒子を識別して同時に1粒子イメージングする手法を開発し、生体分子モーターの高速高精度1分子計測に適用することに成功した。 2.回転分子モーターV1-ATPaseの回転運動におけるサブステップを発見し、ATP加水分解反応の素過程(ATP結合、加水分解、ADPやリン酸の解離)と力学的回転の対応(化学力学共役)の詳細を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
1.金で表面コートされた銀ナノ粒子をプローブに用いることで、より小さなプラズモニックナノ粒子を用いた高速高精度生体1分子計測を達成する。 2.回転分子モーターについて、今後はATPを加水分解するV1部分だけでなく、イオンを輸送するVo部分を含むV-ATPase全体(VoとV1の複合体)を対象とした1分子計測を推進し、エネルギー変換機構、エネルギー変換効率および可逆性についての理解を進める。
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Research Products
(4 results)