2020 Fiscal Year Annual Research Report
生殖系列サイクルの遺伝的安定性の発生制御メカニズム
Project/Area Number |
18H02429
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中馬 新一郎 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (20378889)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゲノム / 遺伝 / 発生 / 生殖 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物の遺伝情報は常に損傷と修復を繰り返して変化する。多細胞生物では受精を起点に個々の細胞の増殖分化プロセスで遺伝情報は変異を蓄積して癌や老化等の原因になるものと考えられる。興味深い事に、各細胞系譜の遺伝的安定性は均一ではなく、個体発生過程では特に生殖系列サイクルにおいて遺伝情報の恒常性が高く維持されるものと考えられる。しかし、遺伝的安定性がどの様に発生プログラムと連携して機能調節を受けるのか、また何故生殖系列サイクルの遺伝的安定性は高いのか等について、制御基盤の理解は殆ど進んでいない。 本研究計画では、哺乳類の初期発生過程と生殖系列サイクルの遺伝的安定性の発生制御メカニズムの解明を目的として、(1)初期発生過程と生殖系列サイクルの遺伝的安定性の発生制御の全体像、(2)遺伝的安定性の制御遺伝子群の発現調節機構、(3)遺伝的安定性の人為制御が細胞・個体に与える影響、の解明を目指す。 本年度は、初期発生過程と生殖系列サイクルに沿ったRNAseqデータ等を網羅的に再解析し、細胞周期活性を基準とした場合の各種機能遺伝子の相対発現の指標となるRelative Expression against Replication Index (RERI) を開発し、ゲノム損傷遺伝子やチェックポイント遺伝子、代謝関連遺伝子等のゲノム安定性に関わる遺伝子群について、細胞周期活性と連動した発現変動および細胞周期活性とは独立して発生段階や細胞系譜に応じた特徴的な発現変動を示す遺伝子群を抽出した。また、これら解析に基づき、マウス多能性幹細胞の増殖制御と染色体安定性に関わる遺伝子・経路の機能スクリーニングを進め、細胞周期活性、代謝制御等に関わる低分子化合物処理やcDNA過剰発現等による機能解析を行う事で、細胞周期活性および代謝活性の抑制と併せて染色体安定性が向上する特異的な制御経路を同定した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)