2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H02439
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (30179569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 弘樹 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (10294448)
若菜 裕一 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (90635187)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MAM / 小胞体 / ミトコンドリア / 脂肪滴 / オートファジー / syntaxin 17 / ACSL3 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアと小胞体の境界領域に存在するsyntaxin 17(Stx17)は、Drp1 と相互作用してミトコンドリアの分裂、飢餓時にAtg14Lと相互作用してオートファゴソーム形成、過剰栄養時(オレイン酸存在下)にACSL3(acyl-CoA合成酵素)と相互作用して肪滴形成に関与している。Stx17の研究を進めて本年度は以下のことを明らかにした。 (1)Stx17の複数のリン酸化部位を同定し、ごく最近、他のグループによって同定されたリン酸化部位は通常はほとんどリン酸化されていないことを明らかにした。主要リン酸化部位のアミノ酸をアスパラギン酸(疑似リン酸化)およびアラニン(リン酸化されない)に変えた変異体を作成した。現在、これらの変異体を使ってリン酸化の意義の解明を進めている。 (2)ACSL3がオレイン酸添加時(栄養過多時)のみならず、飢餓時においても脂肪滴形成に関与し、また隔離膜(オートファゴソーム前駆体)形成にも関与していることを明らかにした。 (3)モデル系およびJ774A.1細胞を用いて、Stx17がNLRP3インフラマソーム形成に関与していることを明らかにした。 (4)ヒト、ハエ、線虫のStx17のC末端アミノ酸配列の違いに基づく局在と機能の違いについて解析を進めた。その結果、ヒトStx17はミトコンドリアの分裂とオートファジーの両方に働くのに対し、ハエはオートファジーのみに、線虫はミトコンドリアのダイナミクスのみに関与することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画どおり進めて成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定どおり、Stx17に関して(i)リン酸化・脱リン酸化を介した局在と機能調節機構、(ii)ACSL3やCPT1(脂肪酸(acyl-CoA)のミトコンドリア内への輸送に関与)との相互作用を介した飢餓時における脂肪滴形成とオートファジーの連携、(iii)NLRP3インフラマソーム形成における役割の解明を進める。最終年度なので、今後の発展につながるための萌芽的研究にも積極的にチャレンジしていきたい。
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Research Products
(2 results)