2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the physiological roles of naturally occurring auxins in plants with distinct transport characteristics
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18H02457
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
笠原 博幸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00342767)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オーキシン / フェニル酢酸 / インドール酢酸 / 生合成 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェニル酢酸(PAA)は重力方向に極性移動しないユニークな特性をもつ天然オーキシンであるが、植物におけるPAAの生合成や生理的役割はまだ解明されていない。今年度はシロイヌナズナにおいてPAAの生合成に寄与する可能性のあるTAR3およびTAR4遺伝子を解析した。これらの遺伝子産物であるTAR3およびTAR4タンパク質は、弱いながらもフェニルアラニンからフェニルピルビン酸(PPY)を生成する酵素活性をもつことを前年度までに明らかにしてきた。そこで、シロイヌナズナを用いてTAR3およびTAR4遺伝子の過剰発現体をそれぞれ作成した。しかし、いずれにおいてもオーキシンに関連した明確な表現型は見られなかった。PAAの内生量や、主要なオーキシンであるIAAの量にも変化は認められなかった。続いて、CRISPR/Cas9ゲノム編集技術によりシロイヌナズナのtar3 tar4二重欠損変異体を作成した。現在、その表現型解析とオーキシン代謝物分析を進めている。 IAAをグルコシル化するシロイヌナズナのオーキシン代謝酵素UGT84B1について、PAAの量的調節への関与を調べた。大腸菌で調製したUGT84B1タンパク質は、IAAだけでなくPAAに対してもUDP-グルコシル基転移酵素活性を示した。また、IAAよりもPAAに対して、より高い親和性を示すことも明らかになった。シロイヌナズナのugt84b1欠損変異体では、IAAとPAA両方の内生量が増加したことから、UGT84B1はこれら2種のオーキシンの代謝調節に関与していることが明らかになった。一方、ugt84b1欠損変異体におけるIAA-グルコースの減少量は僅かであった。このことから、シロイヌナズナにはUGT84B1以外にも重要な役割を果たすオーキシン配糖体化酵素が存在している可能性が強く示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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