2018 Fiscal Year Annual Research Report
Reassembly of active RNA editosomes in plant organelles
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18H02462
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹中 瑞樹 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10796163)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | RNA編集 / 植物ミトコンドリア / 葉緑体 / 転写後調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
陸上植物オルガネラのRNA編集は、RNA上の特定のC(シチジン)がU(ウリジン)に変換されるものである。これまでPPRやMORFタンパク質などRNA編集機構に関与するいくつかの因子が単離されてきたが、それぞれがどのように相互作用しRNA編集複合体を形作るのかは明らかになっていない。本研究では、各RNA編集因子の複合体内での機能を解析し、活性をもつRNA編集タンパク質複合体の再構築を目的とする。本年度の成果は以下の通りである。 1)MORFタンパク質と相互作用するタンパク質を免疫沈降により同定し、その遺伝子破壊株の解析をおこなった。いくつかの候補タンパク質はホモ変異体が致死であったため、その遺伝子を胚発生初期特異的プロモーターの下流へクローニングし、シロイヌナズナ変異体へ形質転換した。またPPR型の新たな編集因子であるMEF37とOTP90を同定した。本成果をPlantsに発表した。 2)タンパク質相互作用に影響を与えると予想されるアミノ酸を変異させたMORF1をクローニングし、シロイヌナズナT-DNA変異体へ導入した。また酵母ツーハイブリッド法、免疫沈降法により、いくつかの変異がMORF1の2量体、またはPPR-MORF1相互作用の形成に重要であることを明らかにした。 3)ゼニゴケのオルガネラ内でRNA編集複合体を再構築するため、シロイヌナズナで複合体を形成していると考えられるDYW2、MORF3.SLO2をゼニゴケに順次遺伝子導入したが、RNA編集は再現されなかった。このことは顕花植物のRNA複合体が予想されてきたよりも複雑であることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
顕花植物のRNA編集複合体の鍵となるMORFタンパク質と相互作用するタンパク質を同定し、遺伝学的にその機能を特定する計画はほぼ順調にすすんでいる。またMORF1のタンパク質相互作用に関与するアミノ酸を同定した。ゼニゴケを用いたRNA編集複合体の再構築に向けて、形質転換をすすめている。以上の理由により、概ね研究計画は順調にすすんでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)MORFタンパク質と相互作用するタンパク質がRNA編集にどのように関わっているのかを変異体解析により明らかにする。 2)MORF1だけでなく様々なMORFタンパク質とPPRタンパク質の相互作用を酵母ツーハイブリッド法、免疫沈降により解析する。 3)最近ヒメツリガネゴケのPPRタンパク質を単独で用いて大腸菌内でのRNA編集を再現する系が報告された。しかしヒメツリガネゴケはPPRタンパク質以外のMORFタンパク質などを持たない。より複雑な顕花植物のRNA編集複合体を再構築するためゼニゴケだけでなく、大腸菌の系、またはin vitro系の構築を目指す。
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