2018 Fiscal Year Annual Research Report
Co-regulation of behavior and pigmentation by neuropeptides in fish
Project/Area Number |
18H02473
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松田 恒平 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (60222303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中町 智哉 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 講師 (30433840)
今野 紀文 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 講師 (50507051)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 脳ペプチド / 行動と体色 / αーMSH / CCK / キンギョ / ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
魚類を含めた多くの動物は、獲物を捕らえたり捕食者から逃れたりするために“体色”を変化させる。興味深いことに摂食・情動行動を制御する脳ペプチドは体色を調節するホルモンや神経伝達物質としても機能することが多い。しかしながら、脳ペプチドによる行動と体色の協調的コントロールのメカニズムは不明である。本研究の目的は、脳ペプチドが摂食・情動行動と体色の制御にどのように合目的的に機能するのかを、小型魚種をモデルとして明らかにすることである。2018年度は、主に、行動と体色に影響を及ぼす可能性のある脳ペプチドとして、キンギョとゼブラフィッシュを用いてα-黒色素胞刺激ホルモン(αーMSH)、アルギニン・バソトシン(AVT)及びコレシストキニン(CCK)の行動への影響を探った。その結果、キンギョにおいてαーMSHは体色を暗化しつつ、不安様行動を惹起する作用を有する可能性を示唆するデータを得た(論文投稿準備中)。また、AVTの中枢作用を探ったところ、摂食抑制作用と不安様行動惹起作用を見出した(論文投稿中)。さらにCCKの解析も進めたところ、CCKが情動行動を制御する可能性を示すデータを得て、係る論文を公表した(Sachuriga et al., Jpurnal of Neuroendocrinology 2019; 31: e12667)。ゼブラフィッシュにおいてCCKの行動に及ぼす影響を調べ、キンギョと類似した作用を有することを明らかにした(論文投稿準備中)。行動と体色を制御する中枢部位の同定のため、神経初期化マーカーのc-fosとEGR-1に着目して、これらの特異抗体の作成を行い、現在、3種類の抗血清を得ることに成功し、現在、特異性のチェックなどの吟味を行っている。鱗における色素細胞の機能解析については高感度のバイオアッセイ法を確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度に計画していた実験項目1-3について、当初計画とおり順調に研究が進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度に得ることのできた知見などの実績を踏まえ、2019年度は特に体色に及ぼす影響を探り、行動と体色の協調的制御の実体に係る実験を展開する予定である。
|
Research Products
(25 results)