2020 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛と基底小体における「9」を基本とする微小管構造の機能的意義の解明
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18H02475
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
広野 雅文 法政大学, 生命科学部, 教授 (10212177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽和 義幸 法政大学, 生命科学部, 教授 (10519440)
西川 正俊 法政大学, 生命科学部, 准教授 (30444516)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 繊毛軸糸 / 周辺微小管 / クラミドモナス / 基底小体 / 超解像蛍光顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物はきわめて多様だが、それらがもつ繊毛はほとんどが9本の微小管からなる基本構造になっている。本研究はその理由に迫るため、クラミドモナスの遺伝子操作によって、微小管の数が大きく変化した繊毛を作製し、その運動性と微小管数の相関を解析することを目的として遂行した。 繊毛の微小管数を9本に決定する機構には、少なくとも、cartwheel依存的機構と非依存的機構の2つがあることが、我々のこれまでの研究によって明らかとなっている。従っていずれの機構を単独で欠損させても、形成されるのは主に正常な9本微小管で、それに加えて8本または10本微小管の繊毛が10%程度形成される。このままでは運動性と微小管数の相関を解析することは困難なため、これら2つのタンパク質の遺伝子に改変を同時に加えることにより、微小管9本と8本の繊毛をそれぞれ約50%ずつ形成する株の樹立に成功した(2020年度)。微小管10本の繊毛が混在せず9本と8本の繊毛のみであれば、正常な運動性の繊毛が微小管9本のもの、残りの異常な運動性の繊毛が微小管8本であると推定できる。現在、この推定をもとに微小管数と運動性の関係を解析中である。解析が遅れている理由は、この株がおそらく多重変異をもつことが原因で繊毛の形成率が10%以下であるため、そこから繊毛を単離して効率よく解析することが困難であることによる。 上記のSAS-6とBld10pの遺伝子改変によるアプローチでは、微小管8本の繊毛しか解析できない。しかし、新たな突然変異株の解析により微小管10本の解析も実現できる可能性が見いだされた。我々の解析により、その変異株rtn1はやはりほとんどが微小管9本の正常な繊毛だが、約8%は微小管10本の繊毛であり、微小管8本の繊毛はほとんど形成しないことがわかった。これを用いて、異常な運動性の繊毛が微小管10本であることを検討する予定である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)