2018 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムに残されたデモグラフィー情報の比較解析で探る生物多様性の環境変動応答
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18H02496
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井鷺 裕司 京都大学, 農学研究科, 教授 (50325130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陶山 佳久 東北大学, 農学研究科, 准教授 (60282315)
伊津野 彩子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (80816249)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生物多様性 / 新規ゲノム解読 / MINion / 隠蔽種 / デモグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
018年6月にニューカレドニアを訪れ、海外共同研究者の研究機関で栽培されている植物個体から ゲノム解読用のサンプルとしてOxera pulchella subsp. grandiflora, O. neriifolia subsp. neriifolia, O. pancheri, O. sulfurea, O. palmatinervia, O. bravicalyx, O. balansae, O. baladicaをえた。2018年11月にはニューカレドニア本島南部を中心に集団解析用の解析試料を採集した。 Oxera属植物の新規全ゲノム解読はOxera balansaeを対象に行なった。正確性には劣るがロングリードの読み取りが可能なMINionシーケンサーと、正確で大量のデータは得られるがショートリードの読み取りが可能なIlluminaシーケンサーを組み合わせることで、N50 = 0.5M 程度のゲノム解読を行うことが出来た。全ゲノム情報をもとにO. balansae, O. baladica, O. sulfrea, O pulchell subsp. grandifloraの4種について、過去数百万年間の個体群サイズの変動(デモグラフィー)をPSMC法によって復元した。その結果、これらの種は、四国程度の面積の島に生育しているものの、生活型や生育地が異なった種は個体群動態が大きく異なるという興味深い事実が明らかになった。 集団解析としては、Oxera rugosa、O. pulchella、O. pancherii、O. palmatiberviaの4種を対象としてゲノム縮約解読を行い、現存する個体群の遺伝的多様性、個体群間の遺伝的分化、分類群間の系統関係を明らかにした。これらのうち2種では、隠蔽種の可能性のある明瞭に異なる遺伝的組成をもつ個体群を発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた、新規ゲノム解読1種、デモグラフィー解析4種、集団解析4種という目標通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、2年目は3種についてリシーケンシングし、デモグラフィー解析、ゲノム縮約解読に基づく集団解析を行う。
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Research Products
(9 results)