2019 Fiscal Year Annual Research Report
雌によって選好されるゲノム領域の特定:環境依存的優良遺伝子化説の検証に向けて
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18H02505
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河田 雅圭 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90204734)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | グッピー / 性選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
ISA集団36個体、CHB集団35個体、BOJ集団38個体ずつのオス・メス・子どものゲノム配列を次世代シーケンサー (Illumina Novaseq6000)を用いて決定した配列のリードをアセンブリし、pool-seqによるゲノムwideなSNP頻度を推定した。得られた親世代のアリル頻度を用いて、シミュレーションをおこない、ランダム交配を仮定した場合の子世代のアリル頻度の分布を得た。次にその分布と実際の子世代のアリル頻度を用いてP値を算出した。さらに、算出されたP値を用いて、window解析をおこなった。window中に含まれる全SNPのP値の平均をスコアとし、上位1%のwindow領域を交配成功に関わるピーク領域とした。また、ピーク領域に含まれていた遺伝子を交配成功に関わる候補遺伝子とした。この候補遺伝子に機能的な偏りがあるかを調べるために、GOエンリッチメント解析を行った。また、候補遺伝子のうち、シグナル形質(色・鰭)、生存力(免疫・抗酸化)に関わることが知られている遺伝子があるかどうかを調べた。window解析の結果、各集団において、ゲノム上の様々な位置にピーク領域が検出されていた。ピーク領域には、CHB集団で415個、BOJ集団で434個、ISA集団で402個の候補遺伝子が含まれていたが、3集団間で共通の候補遺伝子は検出されなかった。また、GOエンリッチメント解析では、どの集団でも有意に濃縮されたGOtermは検出されなかった。さらに、候補遺伝子の中には、シグナル形質に関連する遺伝子がCHB集団で6個、BOJ集団で1個、ISA集団で2個含まれており、生存力に関する遺伝子がCHB集団で14個、BOJ集団で13個、ISA集団で13個含まれていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム解読が終了し、シミュレーションによる性選択によって選ばれた候補遺伝子を検出できた。
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Strategy for Future Research Activity |
選択された遺伝子の詳細な解析をさらに進めると同時に、雄の色彩装飾形質に関わる遺伝子の探索を行う。
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Research Products
(2 results)