2020 Fiscal Year Annual Research Report
雌によって選好されるゲノム領域の特定:環境依存的優良遺伝子化説の検証に向けて
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18H02505
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河田 雅圭 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90204734)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | グッピー / 性選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の解析によって雌によって選好された遺伝子として検出された候補遺伝子のうち、雄の色彩装飾形質に関わる遺伝子を探索するために、雄のオレンジスポット形成に関わる遺伝的基盤の解明を試みた。RNA-seqによるオスの皮膚の遺伝子発現解析を行った。まず、異なる皮膚の部位での遺伝子発現比較からオレンジスポット部分で高発現・低発現する遺伝子を検出し、さらに3つの成長段階の皮膚での遺伝子発現比較から体色形成に伴い発現量が変化する遺伝子を検出した。次に、検出された遺伝子の中で、他の生物で体色への関与が知られるものに注目して機能や発現量変化パターンを確認した。その結果、黄色素細胞の分化、増殖や色素に関連する機能をもつ遺伝子がオレンジスポット形成へ関与することが示唆され、オレンジスポットは黄色素細胞の分化に伴う色の変化によって形成されることが予想された。オレンジ色の斑点は、オレンジ色の斑点の発生が始まる前に存在していた潜在性の黄色素胞によって形成され、Csf1とTHのシグナルを感知することによって成熟した色素性の黄色素胞に再分化する可能性が示された。オレンジスポット形成時のキサントフォア再分化による色変化にはプテリジン合成よりもカロテノイド保持に関与する遺伝子の発現増加が主要な役割を果たしていると考えられた。Csf1およびTHシグナル伝達経路に関与する遺伝子は、オレンジ領域の領域の調節因子を含む可能性が指摘された。Csf1rは、雌が選好する遺伝子としても検出され、good geneの候補としてcsf1およびcsf1rが示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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