2020 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of synaptic mechanism underlying spatial cognitive defect of septin-null mice
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18H02525
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 専 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30273460)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シナプス / 樹状突起棘 / スパイン / 滑面小胞体 / セプチン / 長期記憶 / 長期増強 / 海馬 |
Outline of Annual Research Achievements |
嗅内皮質(貫通線維)から歯状回(顆粒細胞)に投射するpp-GCシナプスは記憶の獲得・想起を司る海馬神経回路への関門として重要である。顆粒細胞は成体でも新生を続け、PTSDやうつなどに関与するユニークなニューロンである。本研究では、顆粒細胞で高発現するSept3欠損マウスの認知行動レベルの異常を多階層的に精査し、以下の知見を得た。系統的行動解析においては迷路課題を含むほとんどの試験で正常であったが、空間文脈弁別課題のみ低成績であった。空間弁別能は正常であるため、空間文脈選択的な記憶保持障害と解釈した。AAVベクター定位注入による発現・枯渇実験により、その責任領域(海馬歯状回)を同定した。ssTEM法による海馬DG-CA3-CA1領域の3D形態計測ではシナプス分布密度やスパイン体積は正常であったが、pp-GCシナプスで滑面小胞体(ER)含有スパインが少なかった。この異常は初代培養顆粒細胞で再現された。スパイン内ERはCa2+/脂質シグナリングを介したシナプス伝達に関与すると想定されているが、ER伸展の制御機構とともに詳細不明である。培養顆粒細胞に後期長期増強(late LTP)を誘発するとシナプス拡大後のER伸展が再現された。さらに、SEPT3欠乏はシナプス拡大には影響せずER伸展を阻害したことから、顆粒細胞スパインへのER侵入は神経活動依存的かつSEPT3依存的であると結論づけた。プルキンエ細胞のER伸展にはMYO5Aが必要である (Wagnerら NCB 2010)。我々は、SEPT3が1) 神経活動に伴ってリン酸化され、2) スパイン基部からER膜近傍に移行し、3) MYO5Aと会合する、ことを示唆するデータを得ており、SEPT3がMYO5A とERを連結するアダプターないし連結安定化因子であるという仮説の検証を行っている (投稿準備中)。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)