2019 Fiscal Year Annual Research Report
Intercellar reaction analysis using nanoparticles
Project/Area Number |
18H02560
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
加藤 大 昭和大学, 薬学部, 教授 (30332943)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 機能性物質 / 分離精製 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内には、多数の生体物質が存在し、その細胞内物質の種類や量で、機能が調整されている。粒子径100nm程度の細胞外小胞は、細胞間の情報伝達を担っている。また血液などの体液中に存在する疾患細胞由来の細胞外小胞を分析することで、病気の早期診断が可能になると期待されている。あるいは、細胞外小胞に薬物を封入することで、新しい効率的な薬物キャリアーとしての利用が考えられている。実際に、医療現場では、既に薬物を内包した100nm程度の粒子が、標的部位に選択的に薬物を送達する医薬品(ナノメディシン)として利用されている。しかし、これらの100nm程度の粒子を簡便に効率的に分離定量する手法は報告されておらず、ナノ粒子間のばらつきが大きかった。 今年度は、直径4.2 mm、高さ1.5 mmの円筒構造を有するカチオン修飾シリカモノリス体を用いた簡便なナノ粒子の精製法を開発した。ナノ粒子溶液(200μL)をモノリスにのせ、簡易遠心機で遠心することで、夾雑物質とナノ粒子成分との分離を行った。 NH2修飾されたモノリス体は、溶出液に500mM トリス緩衝液を用いた時に、ナノ粒子成分と夾雑物質の分離精製が行われた。ナノ粒子としてドキシルとエクソソームを用いた場合の、それぞれの回収効率(精製前のサンプル溶液のナノ粒子含有量に対する最も豊富な画分のナノ粒子含有量の比率)は、それぞれ64%と55%であった。この方法は、数分間の低速遠心分離のみでナノ粒子を精製できるため、細胞の機能解析に用いるタンパク質内包ナノ粒子の精製に極めて有効と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症による行動制限や実験試薬の入手の遅延のため
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Strategy for Future Research Activity |
開発した手法で精製したナノ粒子を用いて細胞の機能解析を行う
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Research Products
(1 results)