2018 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質の小型標識法開発とへテロオリゴマー解析
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18H02561
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松崎 勝巳 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00201773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 義明 京都大学, 薬学研究科, 講師 (60402799)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の多量体形成は様々な疾病に関与している可能性が示唆されているが、既存手法では、生細胞膜中における膜タンパク質の会合状態を正確に測定できる技術が確立されていなかった。これまでに確立した新規タグ-プローブラベル法を用いてホモオリゴマーの定量的解析法を確立する事に成功しているが、本研究では、2色標識によるヘテロオリゴマーの検出技術の確立を目指し、新規タグ-プローブラベル法の開発を行った。 新規ラベル原理として、βヘアピン型ラベル法、RNA型ラベル法、コラーゲン型ラベル法を検討してきたが、いずれの方法でも、タグを付加した標的膜タンパク質の細胞表面への局在効率が低いことが問題となり有効なラベル法が見出せなかった。そこで、本研究では細胞表面局在への悪影響が少ないことが分かっているコイルドコイルラベル法を元に、新規ラベル法の開発を行った。従来のコイルドコイルラベル法であるE3-K4ペアと交差性のあるペア候補として、相互作用部位にアスパラギンを含むEN3.5-2aタグとKN3.5-2aプローブをデザインした。タグをβ2アドレナリン受容体ーEYFPのN末端に付加し細胞に発現させ、ここに蛍光標識KN3.5-2aを添加した所、受容体を発現している細胞で蛍光標識が観測された。また、E3タグに対してKN3.5-2aプローブを添加した場合や、EN3.5-2aタグに対してK4プローブを添加した場合は染色が見られないことから従来のペアと交差性があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の第一歩であるE3-K4ペアと交差性のあるペア候補が見いだされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、このペアのKd値を測定する。会合力が十分でない場合は、ヘリックス構造を安定化させる事が予想される分子内静電ペア(Lys-Glu)や、分子内架橋を導入する事で会合力の向上を試みる。配列の検討により、1)十分な結合力(Kd < 10nM)を持つ、2)従来のペアと交差性を持つ、3)タグ付加が細胞表面局在へ影響しない、4)プローブの細胞への非特異的吸着が少ない、ようなペアを確立する。ラベル法が確立できればヘテロ会合するスタンダードである、class C GPCRのGABAB1/GABAB2へテロ会合体を測定し、解析法を確立する。
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