2021 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルグライコミクスによる細胞の包括的な糖鎖代謝ネットワーク解析
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18H02565
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
篠原 康郎 金城学院大学, 薬学部, 教授 (20374192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 潤一 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (30374193)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グライコミクス / 糖鎖代謝 / 阻害剤 / ブレフェルディンA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞の糖鎖代謝系の一部が撹乱されたときに,細胞全体の糖鎖発現ネットワークはどの程度影響を受ける(あるいは受けない)のかをケミカルグライコミクスのアプローチにより明らかにする研究を推進した。当該年度は、ゴルジ体ストレスを誘導する薬剤として、細胞内の転送を阻害するBrefeldin A(BFA)、Golgicide A(GCA)やイオノフォアであるmonensin(Mon), nigericin(Nig)、α-エンドマンノシダーゼ阻害剤であるcastanospermine(CAS), N-butyl-deoxynojirimycin(NB-DNJ)などがHepG2細胞のN結合型糖鎖と遊離オリゴ糖に与える影響を精査した。BFA曝露により、通常のHepG2細胞にはほとんど認められないハイブリッド型、モノアンテナ型、コンプレックス型のFNGが大量に発現することが明らかになった。ハイブリッド型やコンプレックス型のFNGは、特定のがん患者の体液などに存在すること等が報告されているが、その代謝経路はよくわかっていない。このため、これらFNGの詳細な構造解析を行うとともに、細胞内動態の解析およびN-glycanの発現変動との相関を解析した。その結果、これらのFNGsはまず小胞体でN-glycanとして生成し、その後、細胞質に輸送され、PNGaseとENGaseの作用によって生成する代謝経路が示唆された。GCA、Mon、Nig、CAS、NB-DNJについても、これらの化合物がHepG2細胞のN結合型糖鎖と遊離オリゴ糖の代謝経路に与える影響を精査し、新規な知見を含め、化合物依存的な代謝経路への影響に関する知見を得た。また、糖化ストレスが細胞の代謝経路に与える影響を調べるために3-deoxyglucosoneがHepG2細胞の糖鎖代謝に与える影響について解析を行った。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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