2019 Fiscal Year Annual Research Report
Pathogenesis of Alzheimer's disease based on vesicular transport system in neuron
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18H02566
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 利治 北海道大学, 薬学研究院, 特任教授 (80179233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 沙緒里 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (40581012)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / APP / キネシン / 神経軸索 / 膜小胞輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで、アルツハイマー病の原因遺伝子の1つアミロイド前駆体タンパク質(APP)は、神経細胞でキネシン-1モーターの受容体として機能していることを実証し、APPカーゴとキネシン軽鎖の結合制御機構を解明してきた。神経軸索でキネシン-1による順行輸送を受ける主要カーゴとしてAlcadeinα(Alcα)を報告し、AlcαとAPPは異なる積荷を運ぶ傾向があることをプロテオミクス解析から明らかにした。APPとAlcαはキネシンー1モーターの接続において競合的であるが、積荷の輸送では補償的であることが明らかになった。これらの輸送系とアルツハイマー病との関連性を明らかにする目的で、AlcαおよびAlcβ遺伝子をノックアウトしたAPP-tgマウス(APP23)を作成し、アミロイドプラーク形成の病理を解析したところ、APP23/Alcα-KOマウスではアミロイドプラーク数が増加したがAPP23/Alcβ-KOマウスでは有意な増加は認められなかった。Alcβは、キネシン軽鎖結合部位が1つしか無いため、in vivoではカーゴとしての機能は示さず別の機能が見いだされている。このことより、Alcαカーゴの欠如がAPPの代謝に影響を及ぼしている可能性が明らかになった。APP23Tgマウスは突発死を起こすため、実験群の確保が難しく、AlcαおよびAlcβをノックアウトしたAPPノックインマウス(AppNL-F/AppNL-F)を作成し、月齢による脳内Aβ産生変化とアミロイドプラークの出現変化の解析を進めている。APPおよびAlcβに特異性が高い積荷を同定し、Alcα-KOではそれらの積荷タンパクの末端への輸送低下を見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析は概ね順調に進展していたが、コロナウイルの感染拡大の影響でノックアウトマウスの遺伝子発現変化の受託解析が遅れた。また、やはり感染防止の観点からマウス飼育数を減らした結果、月齢を追った脳の解析がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
軸索小胞輸送系とアルツハイマー病との関連性を明らかにする目的で、AlcαおよびAlcβ遺伝子をノックアウトしたAPP-tgマウス(APP23)を作成し、アミロイドプラーク形成の病理を解析結果を論文として投稿し、APP23マウスでできなかった解析をAlcαおよびAlcβをノックアウトしたAPPノックインマウス(AppNL-F/AppNL-F)で行い、別論文としてまとめる予定である。来年度は、さらに加齢に伴うAPPとキネシン-1との相互作用変化を解析し、Aβ産生量との相関性の解析に取り組む予定である。
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Remarks |
https://www.pharm.hokudai.ac.jp/shinkei/index.html
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Research Products
(18 results)