2020 Fiscal Year Annual Research Report
Pathogenesis of Alzheimer's disease based on vesicular transport system in neuron
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18H02566
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 利治 北海道大学, 薬学研究院, 特任教授 (80179233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 沙緒里 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40581012)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / キネシン / 微小管 / 膜小胞輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
孤発性アルツハイマー病(AD)は全患者数の95%以上を占めるが、その発症機構は多様性に富み未解明な点が多い。ADの根本発症因子アミロイドβ(Aβ)の前駆体APPはキネシン-1のカーゴ受容体として機能する。APPカーゴの輸送の停滞がAβ生成の増加を引き起こすため、AD発症機構の解明としてAPP輸送機構の解析に取り組んだ。APPと共にキネシン-1の主要カーゴ受容体として、申請者はAlcadein α (Alcα)を同定し、両カーゴが競合的および相補的に順行性膜小胞輸送を担っていることを明らかにしてきた。APPとAlcαは、それぞれキネシン-1による独自の輸送を受けており、独自の積荷を搭載している事をプロテオミクス解析で明らかにした。しかしながら、一報のカーゴの機能欠損を他方のカーゴが補う補償効果も示唆され、それぞれの小胞に含まれる積荷の同定と機能解析に取り組んだ。APPの輸送制御の解析とAPPが輸送する分子の同定は、孤発性ADの発症機構を理解する上で重要であり、新たな創薬標的の開発につながる。これまでにAPPがキネシンー1により微小管上を輸送される速度が、キネシン-1がin vitroで微小管上を動く速度よりも早いことを明らかにし、APPとキネシン-1軽鎖KLCを接続するアダプター分子JIP1の機能が輸送の高速化に必要である事が明らかにしてきた。JIP1欠損マウス神経細胞でも通常のキネシン-1の移動速度でAPPカーゴが輸送された。この仕組みを解明したところKLC1を含むキネシン-1のみがJIP1を介してAPPを輸送しており、他のKLCアイソフォームを含むキネシンー1はAPPとJIP1に非依存的な小胞輸送を行うことを明らかにした。加齢に伴いJIP1とKLC1の相互作用はリン酸化修飾により低下しており、APP小胞の輸送効率の低下が予測され、AD発症との関係性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)