2018 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of lncRNAs regulating immune response
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18H02570
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40294962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垰 和之 東京大学, アイソトープ総合センター, 助教 (00211996)
小野口 玲菜 (水谷玲菜) 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (30780697)
高屋 明子 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (80334217)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、細胞内寄生細菌サルモネラが感染した宿主細胞(ヒト培養細胞)では、サルモネラ感染によって核内RNA分解因子がタンパク質分解され、その結果、長鎖ノンコーディングRNAが核内に蓄積することを発見している。さらに、蓄積する核内長鎖ノンコーディングRNAのなかには、免疫応答を制御するサイトカイン遺伝子の転写制御する長鎖ノンコーディングRNAが含まれていたことから、この核内RNA部会経路の抑制は免疫応答の制御において重要な働きを持つと考えられた。核内長鎖ノンコーディングRNAの分解制御による自然免疫応答の制御という新概念を提唱し、薬学、免疫学、分子生物学等の発展に大きく貢献することを目的として、本研究を実施する。具体的には、サルモネラ感染から核内RNA分解経路の抑制に至る一連の細胞内シグナル伝達経路の解明を行う。 本年度は、様々なサルモネラ変異株を作成し、これら変異サルモネラが核内RNA分解因子を分解するかを否かを調べた。その結果、SPI2因子群が核内RNA分解因子のトリガーとして働いている可能性を見いだした。SPI2因子をそれぞれノックアウトしたサルモネラ変異株の作成を今年度は完了し、研究遂行に必要な変異株ライブラリーを構築できた。さらに、変異株の細胞内増殖について確認し、一部の変異株はそもそも細胞内で増殖できないものであることを明らかにした。その上で、細胞内増殖が可能な変異株について、ヒト由来の培養細胞であるHeLa細胞をつかって、ア感染実験を開始することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した変異サルモネラ株のライブラリー作成を完了できたため、概ね順調な進捗と判断している。また、このライブラリーに含まれるサルモネラ変異株の細胞内増殖特性も調べ、今後の実験に使用できるサルモネラ変異株の特定もおこなった。さらに、サルモネラ変異株をヒト培養細胞に感染させる実験も開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に作成したサルモネラ変異株のライブラリーをつかって、ヒト培養細胞への感染実験を行って、核内RNA分解因子のタンパク質分解を引き起こさない変異の同定を行う。この実験から、SPI2エフェクターのうち、核内RNA分解因子のタンパク質分解のトリガーとなるサルモネラ因子を特定する。さらに、このサルモネラ側因子と相互作用するホスト細胞側因子をアフィニティー精製ならびに質量分析によって同定する。これらの実験を通じて、サルモネラ感染をホスト細胞がどのように感知しているかの分子機構を解明する。
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Research Products
(3 results)