2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H02589
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 均 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (00170689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 茂 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (20322307)
山下 親正 東京理科大学, 薬学部薬学科, 教授 (30622188)
室 高広 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (10832834)
黒崎 友亮 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (00582016)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遺伝子デリバリー / 核酸医薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はsmall interfering RNA(siRNA)、カチオン性高分子、アニオン性高分子を様々な組み合わせで比率を変えて混合し、siRNA内包の微粒子の調製を試みた。調製した微粒子のサイズおよび表面電荷を測定した結果、アニオン性を帯びた粒子径約100nmの微粒子が構築できていた。また、電気泳動を行った結果、siRNAが微粒子内に内包されているのが確認でき、電子顕微鏡で球状の形態であることが観察できた。 ルシフェラーゼを恒常発現させたマウス細胞株を作成し、蛍光標識したsiRNAを内包したナノ微粒子を用いて微粒子の取り込みを評価した結果、nakedのsiRNAは細胞に取り込まれなかったのに対し、ナノ微粒子は高効率に細胞に取り込まれていた。また、ルシフェラーゼ発現を抑制するsiRNAを内包したナノ微粒子を用いて遺伝子抑制を評価した。その結果、高い遺伝子発現抑制効果を示す微粒子を見出すことに成功した。また、この微粒子は細胞毒性や血液毒性も示さなかった。さらに、この微粒子に蛍光標識したsiRNAを内包してマウスに尾静脈内投与し、臓器中の遺伝子分布を評価した結果、肺において高い分布を示した。また、経肺投与後の臓器中遺伝子分布の評価も行った。その結果、経肺投与においても肺に選択的に遺伝子を集積できることが示された。 以上のように、我々は本年度の研究によって、静脈内投与により肺へsiRNAを高効率に送達させることができる製剤の開発に成功した。来年度は疾患モデルの作成を試み、薬理効果や安全性を評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、静脈内投与により肺へsiRNAを高効率に送達させることができる製剤の開発ができ、ほぼ計画通り進んでいるため、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度も当初の予定通り研究を進める。 具体的には、疾患モデルを作成し、2018年度、2019年度で構築した製剤を用いて薬理効果および安全性を検討する。
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