2020 Fiscal Year Annual Research Report
Glycocalyx(細胞表面糖鎖層)によるBリンパ球活性化制御の研究
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18H02610
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鍔田 武志 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80197756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤津 ちづる 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (60735984)
王 継揚 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特任講師 (80231041)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Bリンパ球 / CD22 / シアル酸 / シスリガンド / BCR / 免疫不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
CD22はα2,6シアル酸を認識する抑制性受容体で、主にB細胞に発現し、もっぱら同じ細胞に発現する膜分子(シスリガンド)とシアル酸を介して会合している。昨年度CD22がリガンドと会合することで、Srcファミリープロテインキナーゼの活性化で重要な役割を果たすCD45欠損免疫不全B細胞でのB細胞抗原受容体(BCR)シグナル伝達を回復させることを明らかにした。BCRは抗原刺激に反応してシグナルを伝達するだけでなく、抗原刺激がなくてもトニックシグナルと呼ばれる低レベルのシグナル伝達を行い、B細胞の分化や生存に関わることが示されている。本年度CD22がおそらくBCRをリガンドとして認識し、会合することによりCD22の機能が増強し、トニックシグナルが減弱することを明らかにした。さらに、CD45欠損B細胞がBCRの発現を増強することでBCRシグナル伝達を回復することを明らかにした。これらの結果から、CD45欠損B細胞では、CD45欠損とCD22の作用によりトニックシグナルが大きく減弱し、その結果BCRの発現が増強したB細胞が選択的に生存することで、シグナル伝達が回復すると考えられた。さらに、この結果からCD22とリガンドの会合によりBCR架橋時にはCD22の機能が減弱し、トニックシグナルの制御ではCD22の機能増強が起こることが明らかとなった。我々が本課題で一昨年度明らかにしたCD22により活性化したチロシンホスファターゼSHP-1がCD22を基質として脱リン酸化するという知見から、CD22がCD22をリガンドとして会合することでCD22クラスターが形成され、BCRシグナル強度が強い場合にクラスター内で近傍のCD22の多くがリン酸化され、SHP-1がCD22を脱リン酸化することでCD22の機能減弱が起こると示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)