2019 Fiscal Year Annual Research Report
Physioxiaを対象にした酸素に対する真の生体応答機構の解析技術の創出
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18H02614
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 恵三 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (30516290)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 酸素 / 寿命イメージング / 二光子励起顕微鏡 / りん光 / 時間相関単一光子計数 / イリジウム錯体 / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
多彩な細胞応答機構を通じて生体の恒常性維持にかかわる酸素は、生命にとって必要不可欠な生体ガスである。本研究では多光子励起顕微鏡を用いた最新の生体イメージング技術を発展・改良し、従来にない新規のアプローチを創出することで、動物個体中の酸素にかかわる情報を明らかにすることを目的とする。 本年度は、時間相関単一光子計数法を用いた時間分解りん光スペクトル解析によるりん光寿命イメージングによって、骨髄内の種々の細胞を蛍光標識したマウスを生かした状態で観察することで、蛍光・りん光寿命の同時計測を行なった。具体的には、単球、マクロファージ、骨芽細胞、骨細胞および赤血球において特異的に蛍光タンパク質を発現するマウスをそれぞれ観察し、蛍光の発現を指標として各細胞内のりん光寿命の測定を行なった。以上によって、生きたマウスの骨組織内の種々の細胞が晒されている酸素分布の実態を明らかにすることに成功した。 従来研究によって生体内の種々の細胞は低酸素環境にあることが知られているものの、実際にどの程度の酸素分圧に晒されており、それがどの程度変動するかの定量的な知見は明らかにされていなかった。本年度の成果によって、骨髄内で種々の細胞が晒されている生理的な酸素分圧の変動範囲が初めて明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、二光子りん光寿命イメージング法を用いることで、昨年度の破骨細胞内の酸素濃度の同定に続いて、骨髄内の種々の細胞が生理的な環境下で晒されている酸素分圧「骨髄内Physioxia」の計測に成功を収めており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、様々なバイオセンサーを用いた寿命イメージング法を活用することで、骨髄内のPhysioxiaの破綻がどのような変化を骨髄内にもたらすかを多角的に明らかにする予定である。
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Research Products
(6 results)